事例 製品

FACTOR/AIM 生産物流シミュレーター

FAQ

故障復旧にオペレータを使用する

FACTOR/AIMにおいて、資源に"故障"が起こると、それは時間が経過すれば復旧し、他の資源の介入の余地がありません。 しかし、実際のシステムでは故障復旧に人が介入する場合があります。ここではそのような場合のモデル化方法について一例を示します。




図1


[システム条件]

ロットがある工程に到着した。そこでは、
 ・ A〜Eの5台の機械(資源グループ"機械grp")があり、いずれかで加工処理され、次工程へ行く。
 ・ 各機械での加工、故障復旧にはオペレータを必要とする。
 ・ 各機械には故障が発生する。
 ・ この工程で、処理、故障復旧を担当するオペレータは二人しかいない。
 ・ 加工、故障復旧ともに、オペレータがいないとその作業は開始できない。
 ・ 1ロットの加工中、故障は高々1回しか起こらない。
 ・ 加工時間は平均5分の指数分布にもとづく乱数による。
 ・ 故障は、シミュレーションの経過時間により、平均的に20時間に1回起こる。
 ・ 故障復旧時間は、平均5分の指数分布にもとづく乱数による。


[プロセスプラン]
上記のようなシステムでは、「故障復旧時間を開始するにあたってオペレータを占有できない(待ち)状態」を モデル化する必要があります。これは、FACTOR/AIMの非グラフィック構成要素である"故障"ではモデル化できません。 このために、機械ごとに故障開始/終了の各事象を起こすためのオーダ(プロセスプラン)を定義します。 このオーダで各事象でその時刻を変数に記録するようにします。これにより処理ロットは、いつでも機械の故障スケジュールを参照できます。 ロットは、加工前に故障スケジュールを参照しながら故障復旧時間を避けて加工するようにします。


オーダ
 故障 [プライオリティ] 10
 加工 [プライオリティ] 0

資源グループ
 機械grp [シーケンスルール] プライオリティ(高)

複数能力資源
 オペレータ [シーケンスルール] プライオリティ(高)


変数(機械毎に用意)

変数名 タイプ 用途
BrkStartA 実数  機械Aの故障発生予定時刻

故障(ロット)の属性

変数名 タイプ 用途
MTBF 実数  次の故障発生までの時間
MTTR 実数  故障復旧時間

加工ロットの属性

変数名 タイプ 用途
OpTime 実数  全加工時間
TimeP1 実数  加工時間1
TimeP2 実数  加工時間2


故障のプロセスプラン(機械ごとにロード1個発生)
  (1)代入
    MTBF=Expontial(20) (次の故障発生までの時間を計算)
    BrkStart=simnow+MTBF (次の故障発生予定時刻を記録)
    MTTR = Expoential(5)/60 (次の故障復旧時間も計算しておく)

  (2)オペレーション
    MTBF(次の故障発生までの時間遅延)

  (3)オペレーション
    MTTR(故障復旧時間の遅延)
    [資源アクション] Allocate/Free オペレータ
             Allocate/Free機械

(次ジョブステップは、上記「(1)代入」)

加工のプロセスプラン
  (1)オペレーション
    [資源アクション]
    Allocate 前バッファ (本工程に到着)

  (2)代入
    OpTime = Exponential(5)/60 処理時間計算

  (3)選択
    (以下(4)(5)で、加工時間を2分割し属性TimeP1,P2にセットする)
    simnow+OpTime > BrkStartのとき(4)へ
    simnow+OpTime <= BrkStartのとき(5)へ

  (4)代入
    (次の処理時間内に故障が起こらない場合)
    TimeP1 = OpTime
    TimeP2 = 0
    [次ジョブステップ]->(6)

  (5)代入(次の処理時間内に故障が起こる場合)
    TimeP1 = (simnow+OpTime)-BrkStart
    TimeP2 = OpTime-TimeP1
    [次ジョブステップ]->(6)

  (6)オペレーション TimeP1 (処理時間その1)
    [資源アクション]
    Allocate/Free オペレータ
    Allocate 機械grp

  (7)選択
    TimeP2 > 0のとき(8)へ
    TimeP2 == 0のとき(10)へ

  (8)オペレーション (一旦、機械を放す)
    [資源アクション]
    FreeBefore 機械grp

  (9)オペレーション
    TimeP2 (処理時間その2)
    [資源アクション]
    Allocate/Free オペレータ
    Allocate 機械grp

  (10)オペレーション
    [資源アクション]
    Allocate 後バッファ FreeAfter 機械grp

(次工程へ...)



FAQ一覧

■よくある質問

購入前

  1. ライセンスはどのように管理されていますか?
  2. プログラミングのスキルは必要ですか?
  3. 講習会はありますか?
  4. 購入前に使ってみることはできますか?
  5. シミュレーション結果はどのような形式で見られますか?
  6. 保守対象を教えてください
  7. Microsoft Access形式とありますが、Accessは必要ですか?
  8. 関連する書籍は販売されていますか?
  9. どのような業界で適用事例がありますか?
  10. モデルはどのように作るのですか?
  11. アメリカで開発されたと紹介されていますが、 ソフトやマニュアルは英語なのでしょうか?

購入後

  1. 使い方などの問合せ窓口はありますか?
  2. 作成したモデルのバックアップはどのようにすればよいですか?
  3. モデルのバックアップをしておこおうと思うのですが、 ファイルサイズが数十MBと大きくて困っています。
  4. 報告会等のプレゼンテーションの時に アニメーションの動画だけを見せたいのですが、アニメーションの動画ファイルを作成する仕組みはありますか?
  5. 作ったモデル使ったシステムを、色々な部署で使わせたいと思っています。 ライセンスを追加しなければならないのでしょうか?
  6. 他社での活用事例を見てみたいのですが、紹介してもらえますか?
  7. センチネルキーを紛失してしまいました。再発行は可能でしょうか?
  8. 「」というメッセージが出て、AIMが起動しません

■専門的な質問

基本機能解説補足

  1. シーケンスルールと選択ルール
  2. デマンドオーダの納期設定
  3. ユーザ定義の離散、連続分布の定義
  4. 高等搬送JS
  5. コンベア搬送について
  6. 検査JS
  7. 統合/分割JS
  8. バッチ定義、バッチJS
  9. 仕掛りロード
  10. シフト残業設定
  11. 手持ちの図面を利用したアニメーション
  12. モデルデータの保存と読込み

こんなときどうする? -モデル化手法

  1. 資源グループメンバ選択ルール[インデックス]
  2. 資源グループメンバによる加工時間の違い
  3. プロセスプランの同期(1)
  4. プロセスプランの同期(2)
  5. プロセスプランの同期(3)
  6. プロセスプランの同期(4)
  7. 生成JSの利用例
  8. 選択JSの利用例
  9. 後段取りのモデル化方法
  10. 自動倉庫(ASRS)のモデル化方法 4例
  11. 冶具資源を用いたアニメーションテクニック
  12. 工場内の特定の中間倉庫の在庫量を知る方法
  13. 搬送車やAGVの積載時に複数の資源を解放する方法
  14. 空車両の制御
  15. コントロールポイントグループの利用例
  16. パーツ毎の完成数を表示する方法
  17. 一般プールの利用テクニック
  18. バッチJS利用例-高等搬送JS,一般プール
  19. パーツによる処理順の制御テクニック
  20. 納入、出荷スケジュールの利用例

ユーザコードを使用したモデル化

  1. ucrstra-資源ステータスの変化イベント
  2. リリース先ロードへの属性の引渡し方法
  3. 選択JS選択ルール
  4. 故障復旧にオペレータを使用する
  5. JSの続きエディタのジョブステップ選択ルール
  6. ユーザコードからダイアログを表示する方法
  7. AIM内エディタの「式」フィールドに任意の値を設定する方法
  8. Windowsの環境設定

モデル化の検証

  1. 残業を設定していないのに残業したという結果になる
  2. ガントチャートについて
  3. 期間実行、事象ビューア
  4. Visual Studioを利用したデバッグ