FACTOR/AIM 生産物流シミュレーター
FAQ
ユーザ定義の離散/連続分布の定義
質問
私たちの工場で使用している設備の中に、ある程度の数量を加工すると保全が必要になるものがあります。
そして、保全が必要となるまでに加工する数量は毎回異なり、加工した数量ごとにどのくらいの確率で
保全が行われたかをあらわした実績が手元にあります(表1参照)。
AIMの「保全」の機能を用いてモデル化したいのですが、このデータを生かすことは可能でしょうか。
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答え
この問題のポイントは以下の2点にあります。
●確率データの取り扱い方法
●加工した数量に応じて保全を発生させる方法
それぞれ、以下に説明します。
<確率データの取り扱い方法について>
確率データを取り扱うために、AIMは二つの関数を用意しています。離散分布を扱うDisprob関数と、連続分布を扱うConprob関数の2種類です。
今回の問題のように「加工した数量」などの整数が対象の場合には、離散分布なのでDisprob関数を用いることになります。
Disprob関数は、分布に関するデータを入力した対応表と一緒に利用します(図1参照)。対応表は、行のインデックスとして、1, 2, …,(半角整数)と1から順に連番とします(@)。そして、列のインデックスとしては、一番目を「値」(A)、二番目を「PROB」(B)とします。そして「値」の列には確率変数が取るべき値を(C)、「PROB」の列にはその値が発生する確率を(D)、それぞれ入力します。
この対応表が、各確率変数がどのような割合でどの値をとるかをあらわします。これを作成した上で、AIMの各種エディタの中の「式」フィールドに、
Disprob("対応表名", Sn) (Snは乱数系列番号。1~100までの整数のいずれか)
と記述すれば、この対応表の記述に基づいた乱数を生成してくれます。
連続分布を発生させるためのConprob関数の利用にあたっては、列のインデックスの二番目を「Conprob」とし(E)、Conprobの列の値はその値の発生する確率ではなく、累積確率密度を入力します(F)(図2参照)。
そして「式」フィールドへの記述は、
Conprob("対応表名", Sn) (Snは乱数系列番号。1~100までの整数のいずれか)
とします。
<加工した数量に応じて保全を発生させる方法>
AIMの「保全」には、処理した個数に応じて保全を発生させるための機能があらかじめ用意されています。そのためには次の手順が必要です。
- 保全エディタの「保全発生間隔時間の基準」グループの「コード」フィールドで「カウント」を選択します。 「カウント」を選択すると、その要素が処理した数に基づいて保全を発生させることがきます。
- 「保全発生間隔時間の基準」グループの「式」フィールドには、一つ処理されるたびに基準の値に 加えられる値を記入します(例えば「2」と設定すれば、一つ処理するたびに、2ずつ基準の値が増えていきます)。
- 「最初の保全時刻」グループで、第1回目の保全を発生するまでの基準値のしきい値を設定します(4.の説明を参照)。
- 「保全発生間隔時間」に、保全を発生させるまでに処理すべき基準値のしきい値を設定します。 例えば「保全発生間隔時間の基準」の「式」フィールドを「1」と設定している場合に、10個処理する毎に保全を発生させたければ「10」、 問のようにある離散分布に従って発生させたい場合には「Disprob("ltbl1", 1)」などと記述します。
- その他、必要な設定を行います。(「保全時間」、「適用」など)
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