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FAQ

プロセスプランの同期(4)
- リリースジョブステップを用いて資源を引き継ぐ方法 -

質問

リリースオーダを定義してリリースジョブステップを使用することによって複数のプロセスプラン間で受け渡しが出来るということなので、 図1のような工程のラインX、ラインYの引継ぎとして、ラインXに相当するプロセスプランの最後にリリースジョブステップを利用してみました。


図1 工場での流れ
[図1]

ところがこの方法でモデル化してみると、ラインYの先頭の機械Y1が処理中にもかかわらず、 どんどんラインXの最終工程である機械Xnの処理が終了してしまい、パーツのアイコンが画面上から消えてしまうのです。 現場ではXnとY1の間に仕掛品置き場はないので、これでは実態と合致しないモデルになってしまいます。 何とかリリースジョブステップを利用しながら、現場にあったモデルを作成できないでしょうか?



答え

この問題の原因は、リリースされたオーダがリリース先のプロセスプランをスタートするまでの間、資源やプールを占有していないことにあります。 プロセスプランを記述するときの主語となるのはロードであり、ロードは占有している資源の絵の上に現れますから、ロードがなにも占有していなければ画面から姿を消してしまいます。 もちろんリリースされたロードはモデル上では定義されているので、Y1の前に見えない待ち行列が出来ていて、Y1が利用可能になった瞬間に画面上にオーダのアイコンが現れることになります。
この問題は、「資源を占有している状態でオーダをリリースする」ことで解決できます。 本来、資源をAllocateしたらそのプロセスプランのそれ以降のジョブステップでFreeするのが原則で、 占有した資源を解放しないでプロセスプランを終了すると、 シミュレーション実行中に警告がでます。 しかし、リリースジョブステップには「資源やプールを引き継ぐ」という特殊な機能があって、 リリース前のロードが保有している資源を、リリースされたロードに引き継がせることが出来るので、 この機能を用いれば、もとのプロセスプランでその資源をFreeせずに、 リリース先のプロセスプランでFreeすることができます。
今回の例ではラインX に対応するプロセスプランの最後をリリースジョブステップにしますが、そのリリースジョブステップもしくはそれ以前のジョブステップでXnをAllocateしておき、リリースジョブステップエディタ下部の「投入」グループの「資源」の欄にその資源「Xn」を指定すれば(図2参照)、リリースされたロードに、現在占有している資源を引き継がせることが出来ます。 そして、ラインY に対応するプロセスプランの先頭でXnをFreeします。



図2 リリースジョブステップエディタ
[図2]

次にもう少し複雑な例を挙げます。



図3 工場での製品の流れ
[図3]

図3のように、3つのラインで2品種を製造しているシステムを、 各ラインをそれぞれ異なるプロセスプランで定義し、プロセスプラン間をリリースオーダを使って受け渡そうとします。 このとき、それぞれのラインの切れ目毎にプロセスプランを作成すると、ラインの切れ目の部分で画面上からアイコンが消えてしまいます。
そこで、ライン1、2に対応するpplan1、pplan2の最後ジョブステップを、機械2または機械4をAllocateしてその加工時間を経過させるリリースジョブステップにすると、 ライン3に対応するpplan3上でこれらの機械のうちのいずれかをFreeしなければなりません。 そのためにはpplan3上で、pplan1、pplan2どちらのプロセスプランを経由してきたかを判断して、その結果に応じて機械2か機械4のいずれかをFreeするという手順を踏まなければいけません。
ここではもっと簡単な方法があります。
pplan1、pplan2の最後のジョブステップを機械2や機械4をAllocateした状態ではなく、ライン3の先頭にまで踏み込んで、機械5をAllocateした状態での加工時間は0.0として、 リリースジョブステップをして終了するのです。 そして、機械5をリリースオーダに引き継がせて、pplan3上で先頭のジョブステップで機械5の加工時間を経過させます。こうすれば、リリース前に通過したプロセスプランを判断する必要もなく、機械5をFreeすることが出来、すっきりとプロセスプランを記述することが出来ます。


図4 プロセスプランの流れ
[図4]



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