RESP-T FAQ 入力データ記述関連


単位系について教えて下さい。
単位系は任意であり、ユーザーの入力で決まります。入力データの単位が統一されている必要があります。
出力は入力単位系に従います。ただし、次の入力項目については制限があります。
  • 断面主軸の傾き(CANGサブコマンド)は、ラジアンです。
  • 特殊復元力特性の中には、「ton-cm」や「kN-cm」で固定のものがあります。

ビーム要素の入力で、SKLTが入力されていてもSECTは必要ですか?
SECTは必要です。初期剛性はSECT(断面性能)とMATE(材料性能)で決定します。

部材に作用する軸力の正負について教えてください。(トラス要素、ビーム要素、材軸直交分割要素、etc)
トラス、ビーム、材軸直交分割要素は下記の通りです。
「+」:圧縮
「−」:引張
バネ要素に関しては、i端とj端の位置関係に依存します。 相対バネの場合、i端の変形からj端の変形をひいた変形の符号が力の符号となります。 絶対バネの場合、i端の変形の符号に力の符号が一致します。

「トラス部材の非抗圧部材について」
トラス部材にて弾塑性を考慮した場合、非抗圧として計算されませんが、弾性にて入力した場合には非抗圧部材として計算されてきます。
テンションケーブル要素の場合、履歴の制御をすることができませんのでLOOP指定をはずす必要があります。

軸力および2軸曲げモーメントに非線形性(N-ε、M-φ)を考慮
軸力−曲げ相関(N-M-M)を考慮
曲げモーメントが降伏、あるいは終局に達した時、軸力も同時に降伏、終局するのでしょうか。 それとも軸力は単独でN-ε上を移動するのでしょうか。 曲げと同時に軸力が非線形に入るとは考えにくいのですが。

軸力項の剛性低下倍率に値を入れると、軸力も剛性低下します。 その場合、北極(圧縮軸耐力)、南極(引張軸耐力)到達時には、入力した剛性低下倍率に、赤道(曲げ最大耐力時軸力)到達時には、剛性低下倍率1.0になるように曲線次数から、補間しています。

上記の方法は、硬化則、流れ則に従うようなロジックなのですが、通常はご指摘の通り、軸剛性の損失はほぼないと想定して剛性低下倍率1.0を入力しています。

*REFRコマンドを増やしたら、解析でエラーが出るようになりました。
荷重分布定義コマンド *REFR を多用するとメモリも多く使用するため、メモリ不足になることがあります。 継続行指定を使用するなどして、*REFRコマンドの使用数を減らして解析を行うと正常に流れやすくなります。

「原点指向型」を指定している部材の履歴ループ図が原点指向になりません。
原点指向型は硬化則(等方硬化)に従っております。 その場合、スケルトンが正側と負側で等しい場合にのみ、原点指向として動きます。 非対称のスケルトンの場合、原点を通りません。

初期断面力のうち、せん断力は格点間の曲げモーメントの差(曲げモーメントの勾配)から自動的に計算されるのですか。 また、これは静的解析・動的解析で同じ扱いですか。
初期断面力のせん断力は以下のとおりです。
  • せん断力はモーメントから内部計算します。
  • 最終的な応答結果には初期断面力が加味されています。
  • 静的、動的とも同様です。

固有値解析中に、サブスペース反復中のエラーにより計算が中断されてしまいます。
下記のコマンドを追加してみてください。
*TOLE PSIZ 4
質量のない非拘束自由度が多数存在すると、モデルとしてバランスが良くありません。

固定節点に波形を作用させたくないのですが,どうすればよいですか?
一部の拘束自由度に波形を作用させない場合、多点入力機能で実現可能です。 多点入力の場合、入力したい自由度をデータで指定できます。 加速度・速度・変位波形(これらの整合は取れているものとします)が必要になります。>
RESP-Tの理論マニュアルおよびコマンドリファレンスマニュアルを参照して下さい。

分割した中間点(分割した内挿点)に対しても質点を振り分ける方法はありますか?
材軸直交分割要素の中間点には質点は配置できません。 材端の応答から、内部の分割点での応答を計算するため、分割点での応答(変位)は必要ありません。 したがって、中間点での質点も必要ありません。

*OHSTの出力時間間隔の最小値を教えてください。
積分時間間隔が出力時間間隔より細かければ、指定可能です。 ただし、出力種別が多い場合、膨大な大きさの結果ファイルとなりますし、出力時間も膨大になりますのでご注意ください。

バネ要素(SPRG)の符号についてですが、全体座標系→に対してi端→j端とバネ配置した場合、圧縮+引張-全体座標系→に対してj端←i端とバネを配置した場合、圧縮-引張+でよかったでしょうか?
全体座標系にて、「i端の変形」から「j端の変形」をひいた変形の符号がそのまま力の符合になります。

バネ要素で、
引張側 剛性 PCケーブルの剛性
圧縮側 剛性 0
とした場合、固有値解析結果としては正負の剛性を考慮した結果となるのでしょうか?
バネの初期剛性を正負で変えた場合、固有値解析には正側の初期剛性が採用されます。 したがって、正側の初期剛性に「0.0」を設定した場合、エラーとなる可能性があります。

バネを絶対バネとして設定すれば、固定節点は入力不要ですか?
絶対バネを配置することでその方向は支持されますので、固定節点は不要です。

積分ピッチを粗くすると、解析結果がおかしくなります。
要素の剛性変更が関係していると考えられます。 粗い時刻刻みで解析すると、1ステップあたりに進む変形が大きくなるため、剛性の変化するところにおいて不平衡力を正しく処理できなくなります。

強制変位を与える節点の境界条件は、拘束自由度(2)ですか?
はい。強制変位は、拘束自由度に対して作用させなければいけません。また、荷重は非拘束自由度に対して作用させなければいけません。

三次元解析で通常の橋軸方向と橋軸直角方向のほかに,ちょうど間の角度(45°)方向から地震動を入力して部材の照査を行うにはどうすればよいですか?
入力波形を45°方向に入力する場合、水平2方向に同じ波形を入力することで実現します。 UX,UZ方向が水平方向にあたる場合、下記のコマンドで指定します。
*WAV2 'BASE' 4209.175 FILE 'Spc2_G4.wav'
*BASE 1 UX 'BASE'
*BASE 2 UZ 'BASE'
UX、UZ方向の波形が合成されることを見越して、最大値を「√2」で除しておきます。

自重の入力は静的解析を行う場合にのみ入力するのですか?
動的解析の場合は、質点とは別に入力するのですか?

質量(*LMAS)は、節点荷重には換算されませんのでご注意下さい。

動的解析において、自重を外力(固定荷重)として鉛直方向に載荷する場合には「*REFR」を用います。 「*REFR」で指定した節点荷重は、振動解析前に静的荷重として載荷され、振動解析中は常に載荷された状態となります。


*MSTRの設定方法について教えてください。

「*MSTR 3」の場合、初期の材料剛性と質量で固有値解析を行います。
「*MSTR 2 ・・・ INST 1」の場合、常時荷重などを載荷した状態から固有値解析を行います。

この場合、幾何学的非線形(DEFM 2)を考慮すると幾何剛性を考慮した固有値解析が可能です。 「ISEP N」を指定すると、初期荷重を段階的に作用させます。 初期荷重載荷時に部材が剛性変更することが明確な場合に有効です。