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RESP ニュース Vol.85

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構造計画研究所 RESP ニュース Vol.85 2013/9/17
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本メールは、構造計画研究所RESPシリーズの最新情報をお伝えするメー
ルニュースです。月1回程度の予定で発信しております。配信変更・追加・
停止等につきましては、本メールの末尾をご覧下さい。

[ 目次 ]――――――――――――――――――――――――――――――
 1.免震検討体験セミナー(中級編)開催のお知らせ
 2.RESP-D Ver.2.8情報
 3.FAQ紹介 -水平上下同時入力を考慮する場合の注意点-
 4.BCPに用いられる建物の被害評価手法の紹介
 5.あとがき(RESP担当者近況)


[1]―――――――――――――――――――――――――――――――
免震検討体験セミナー(中級編)開催のお知らせ

免震建物作成に関するセミナーを下記のように開催いたします。
是非、ユーザの皆様のスキルアップにご活用ください。

 日 時:平成25年9月27日(金)14:00 ~ 17:00
 場 所:(株)構造計画研究所 本所新館
 受講料:15000円 (RESPユーザ様は無料にてご受講頂けます)
 内 容:RESP-Dの免震関係機能の詳しい説明と実際に中間層免震建物の
     モデル化を行い、各ポイントについての解説を行います。
 ご注意:このセミナーは、RESP-Dの基本的な操作ができることを前提と
     しています。
 主 催:防災ソリューション部 建築構造室
>
申し込み:https://kke.smartseminar.jp/public/seminar/view/893


[2]―――――――――――――――――――――――――――――――
RESP-D Ver.2.8情報

ユーザビリティの向上を目的として、下記の2つの機能追加を行いました。

 1.以前に解析した計算結果の読み込みに関する改善
   入力ファイルを開いた時点で、以前に解析した計算結果の存在を確認
   し、ユーザに対して結果の読み込みの問い合わせを行う仕様に変更し
   ました。

 2.解析結果ファイルのフォルダ分けによる保存
   解析結果を以下のようなフォルダ構成で保存するように仕様変更しま
   した。モデルデータ名のフォルダを作成し、その下に以下のフォルダ
   が作成され、その中に各種結果ファイルが入る仕組みとなります。

    荷重計算、弾性解析、断面検定、施工段階解析、荷重増分解析
    終局検定、杭解析、質点系振動解析、立体振動解析、旧計算結果

  Ver.2.8.0.0以前のバージョンで作成したファイルを開いた場合には、
  上記のフォルダ構成になるようにデータのコピーを行います。
  その際、旧バージョンで計算した結果は「旧計算結果」フォルダに
  移動されます。

上記の他にも、ユーザの皆様からご指摘いただきました細かな改良・修正
を行っております。
今後も皆様のご意見をスピーディに反映するべく取り組んでまいります。
ご要望・ご指摘をお待ちしております。


[3]―――――――――――――――――――――――――――――――
FAQ紹介 ~水平上下同時入力で考慮する際の注意点~

最近は、免震装置の引き抜きの検討や、高層建物の柱軸力の検討において、
上下動入力時の応答評価が重要となる場面が増えています。これらの検討を
精度よく行うとすると、水平動+上下動の振動解析を行う必要に迫られるこ
とになりますが、構造減衰の設定は間違い易く、ここを間違うと大幅に危険
側の応答推定になってしまう問題があります。
ここでは、水平動+上下動の解析を行う場合に、間違った減衰の解析を行わ
ないための構造減衰の基本概念をご紹介します。

通常、建築構造物の振動解析では、構造減衰として剛性比例減衰が採用され
ています。この方法では、ある固有振動数に対する減衰定数を1点設定する
と、全ての振動モードに対して固有振動数に比例した減衰が与えられること
になります。通常は、この1点には建物の1次固有振動数を設定し、その他
の振動数に対しては剛性に比例的に減衰を与えますので、水平動+上下動で
は、上下動の1次固有振動数に対しても単純に比例的に減衰定数を与えるこ
とになります。
一般的に、上下の固有周期は水平と比較して10倍程度短周期になりますの
で、水平動のみの解析の場合と同じように減衰を設定すると、上下動の減衰
を10倍程度過大に評価してしまい、危険側の応答推定になってしまいます。
このような場合の対策として、一般的にはレーリー型減衰を用いて、水平動
と上下動の減衰定数をそれぞれ与える方法が用いられます。
 
 http://www4.kke.co.jp/resp/support/faq/resp-d/002.html#faqid_d_13


しかし、レーリー型減衰では逆に高次振動モードの減衰が不足してしまう問
題があり、現状ではこの問題を完全に解決できる方法がありません。
弊社では、下記のような研究提案を行っておりますので参考にしてください。

梁川幸盛「地震波の水平・上下同時入力による時刻歴応答解析手法の検討」
日本建築学会大会学術講演梗概集2007年、21253.


[4]―――――――――――――――――――――――――――――――
BCPに用いられる建物の被害評価手法の紹介

弊社では、構造設計のための地震応答解析だけでなく、BCP(事業継続計画:
Business Continuity Plan)策定に向けた地震や津波等による自然災害時の
リスク評価業務を行っております。
BCPにおける建物の地震応答評価では、構造構造設計とは条件や目的が大きく
異なるため、設計の場合とは異なる解析手法が採用されます。
本トピックスでは、皆様の設計業務のヒントに繋がることを願い、地震リス
ク評価時に用いられる建物の被害評価手法について簡単にご紹介させていた
だきます。

リスク評価時に用いられる建物被害の評価手法の一つとしては、以下のよう
なものがあります。
 1. RESP-D等で建物の立体モデルを作成
 2. 荷重増分解析により層のQ―δ曲線を求め、建物重心位置の耐力スペ
   クトルを算出
 3. シナリオ地震のSa-Sdスペクトルと耐力スペクトルの交点から、建物重
   心の応答を推定し、さらに各階の最大変位と加速度を評価
 4. 層間変位や加速度から、建物躯体・非構造部材の被害確率を評価

既にお気づきの方も多いと思われますが、この手法は限界耐力計算に基づい
たものです。リスク評価では、構造設計に比べて下記のような特徴があるた
め、建物を1質点モデルに単純化した上で、建屋応答の大局を把握出来る手
法が向いているのかと思われます。
 ・複数の建物を短期間に評価することが多い
 ・構造躯体以外の設備・内容物の被害の方が重要になることがある
 ・設備・内容物の被害推定の精度は構造躯体よりも悪い
 ・構造図面・構造計算書が十分に入手できない場合がある

以上、構造設計に直結する内容ではありませんが、その技術や知見が別の分
野でどのように使われているかの一例として、地震によるリスク評価時に用
いられる被害評価手法について紹介させていただきました。


[5]―――――――――――――――――――――――――――――――
あとがき(担当者近況)

◆最近、不安ながら始めたトレッキング(トレッキングは特に山頂にはこだ
わらず、山の中を歩くことを目的としている言葉。但し、結果的に行動の過
程で、山頂を通過することもある)。構造物の耐力も大事ですが、その前に
想定外の災害に少しでも対処するための体力をつけなければと再認識しまし
た。とはいえ、リフレッシュには最高ですので、高齢者は特にお試しあれ。
(YM)


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         発信:株式会社 構造計画研究所 建築構造工学部
                  〒164-0011 東京都中野区中央4-5-3
      mail:連絡先  TEL:03-5342-1134  FAX:03-5342-1234
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