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構造計画研究所 RESP / STAN ニュース Vol.88 2014/2/21
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[ 目次 ]――――――――――――――――――――――――――――――
1. 各種パッケージからのお知らせ
2. 3月、4月開催のセミナーのお知らせ
3. 地盤の応答変位を考慮した杭応力の検討
4. あとがき
[1]―――――――――――――――――――――――――――――――
各種パッケージからのお知らせ
<RESPシリーズ>
□ XPサポート終了に伴うRESPの動作保証環境の変更について
マイクロソフト社からのアナウンスのとおり、2014年4月9日にWindows XPの
製品サポートが終了します(下記URL)。これに伴い、RESPシリーズの
動作保証環境としてWindows XPを対象外とさせていただきます。
マイクロソフト社 XPサポート終了のアナウンス
https://www.microsoft.com/ja-jp/windows/lifecycle/sp3eos.aspx
Windows XPの製品サポート終了後の動作保証環境は、Widows 7(SP1、
32bit・64bit)およびWindows 8.1(32bit・64bit)とし、Windows 7(SP1)
を推奨環境といたします。
Windows XPをお使いのユーザ様には、OSの移行のご検討をお奨めいた
します。
□ RESP-D Web認証版ライセンス運用開始のお知らせ
時刻歴応答解析による設計を支援する統合構造計算システム「RESP-D」に
Web認証版ライセンスが登場します。キーの管理が容易になり、ライセンスの
取得・返却もスムーズに行うことができるようになります。
3月中旬頃のWeb認証版運用開始に伴い、RESP-Dはネットワークライセンスでの
運用を終了させていただきます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→PDFファイル
<RESP-D>
Ver.2.9.0.0をリリースしました。かねてからご要望がありましたRC柱の
寄筋入力に対応しましたので、是非ご活用ください。
寄筋を入力すると、下記の計算に反映されます。
・RC柱の曲げ許容応力度、終局強度
・RC柱のファイバーモデル断面
・構造計算書断面リスト
<STAN>
2014年4月にVer.11のリリースと保守サービスのリニューアルを予定しています。
□ Ver.11
・Windows8.1対応
・積算機能更新
従来のバージョンでは、部材の総重量および骨組み要素毎の重量を
出力していましたが、新たに断面符号毎、部材長さ毎の簡易積算機能
を追加いたします。
本機能では、分割された骨組要素も一本部材として自動認識した上で
長さの認識を行いますので、鉄骨造や木造における概算数量計算とし
てお使いいただくことができます。
・web認証機能更新
・平面応力要素機能更新
・板曲げ要素機能追加(要保守契約)
なお、ご注文の受付開始は3月を予定しております。
□ 保守サービスがリニューアルします。
詳細は近日ホームページでお知らせします。
URL → http://www4.kke.co.jp/stan/
[2]―――――――――――――――――――――――――――――――
3月、4月の開催セミナーのお知らせ
□ 3月、4月のセミナー
【制振検討入門セミナー】
多くのご要望にお答えして、制振部材を含む建物の振動解析のセミナーが
ついに登場です!
本セミナーでは鉄骨造の建物で制振モデルを作成しながら基本からご説明
致します。実際にモデルを作成することで、留意点など実務を行う上で必要と
なるポイントをわかりやすく解説します。(講義と演習のセミナーです)
日 時:平成26年3月11日(火)16:00 ~ 19:00
場 所:(株)構造計画研究所 本所新館
受講料:無料
内 容:制振建物についてのセミナーです。
主 催:建築構造工学部
申し込み:https://kke.smartseminar.jp/public/seminar/view/981
日 時:平成26年4月22日(火)16:00 ~ 19:00
場 所:(株)構造計画研究所 本所新館
受講料:無料
内 容:制振建物についてのセミナーです。
主 催:建築構造工学部
申し込み:https://kke.smartseminar.jp/public/seminar/view/982
[3]―――――――――――――――――――――――――――――――
地盤の応答変位を考慮した杭応力の検討
日本では地盤の軟弱な地域に杭基礎に支持されている多くの建築物が建設
されています。昭和59年に建設省住宅局住宅指導課長通達『「地震力に
対する 建築物の基礎の設計指針」の取り扱いについて』が出されてから、
一般建築物 においても1次設計における杭の水平耐力の検討が必要となり
ました。
その後、軟弱地盤、液状化による杭の被害が明らかになり、その被害は大
地震による地盤の変位による影響が大きいことも明らかになっています。
現状では、一般建築物への杭の2次設計および応答変位を考慮した検討は
義務付 けられていませんが、免震構造建築物や構造性能評定を必要とさ
れる建築物においては、応答変位法による検討は必須となっています。
今後、一般建築物への応答変位法による検討が義務付けられる可能性は高
いと思われます。
極めて稀に発生する地震動に対する杭基礎の耐震安全性を検討する場合、
上部構 造から杭頭に加わる慣性力と杭周面地盤の応答変位による応力を
組み合わせて杭設計応力とする応答変位法が用いられています。それぞれ
の応力の算定方法や組合せの方法は明確ではなく、構造設計者の判断に
委ねられています。
ご存知の通り、応答変位法による杭の応力の算定においては、杭周地盤を
深さ方向に、離散化した杭周面水平地盤ばねを配置します。その地盤バネの
設定によっては、杭応力に数倍の違いが生じることもあります。
水平地盤ばね値を設定する際の地盤物性は、従来、建築基礎構造設計指針」
に倣い、土質試験結果、水平載荷試験結果あるいはN値を用いた地盤の変形
係数E0=700×Nとして評価し、層の変形が1cmの時の水平ばねkho・Bを算定
しています。1mmまでを初期剛性3.16×kho・Bの弾性とし、その後の非線形
特性をy-1/2の曲線で定義しています。但し、Bromsの極限地盤反力を頭打ち
します。
これに対して、最近では地震応答解析に用いられるFrancisの地盤ばねを
応答変位法にも採用することを求められる事例が増えています。
Francisの初期剛性kfsは「基礎構造設計指針」(kh=3.16・kho・B)の5倍以上
になる場合もあり、応答変位による応力算定に用いる場合は、何らかの非
線形特性を与えなければ過大な設計となります。このため、地盤応答解析の
収束物性値により非線形を考慮してFrancisの初期剛性kfsを作成する必要
があります。非線形特性は、地盤応答解析と同様に、Bromsの極限地盤反力
に漸近する双曲線モデル(Hardin-Drnevichモデル)などが提案されています。
以下の例では、Francisの初期剛性はSHAKEで用いた非線形モデルによる
剛性低下を考慮していますが、「基礎構造設計指針」(kh=3.16・kho・B)に
比べ約5.7倍の値となっています。

出典「動的相互作用を考慮した耐震設計」P.186
慣性力と地盤の変位に対する応力算定時の地盤の初期剛性は、当然のこと
ながら、同一の地盤にあることから同一の評価を行うことが重要です。
弾塑性を考慮するのであれば、単独の応力を求めて組み合わせるのではなく、
同時に加力して応力を算出することが本来の方法です。また、慣性力に対し
ては基礎指針の柔らかいバネ、応答変位に対してはFrancisの固いバネを
採用し、安全側の設計を行うこともひとつの考え方ですが、不経済な設計
となり、実際の現象を忠実に再現していないという点では間違っていると
いえます。
①地盤の初期剛性、②地盤の非線形モデル(液状化を含む)、③極限地盤
反力などの豊富な実験と研究に基づいた根拠のある地盤バネのモデル化が
望まれています。
杭基礎の設計手法については、不確定な要素が数多くあり、建築基礎指針
の改正も予定されているとのこと。弊社の弾塑性地震応答解析プログラム
「RESP-D」においても、杭と建築物の一体解析や杭および地盤の非線形
解析等の知見をいち早く取り入れ、モデル化に反映する予定です。
[4]―――――――――――――――――――――――――――――――
あとがき (RESP担当者近況)
◆ 最近、会社の共有ハードディスク(HDD)が壊れ、結構なお金をかけて
復旧する羽目になりました。RAIDを信用し過ぎてはいけません。普通に
別のHDDにコピーする方式が一番です。HDDはいつ壊れるか分かりません
から、バックアップはこまめにしておくことをお勧めします。ちなみに、
データ復旧会社によると、壊れたHDDに通電しているとデータ復旧率が
どんどん下がるそうですので、壊れたら電源オフにしておくのが基本
だそうです。(T.M.)
◆ 雪は子供の時はうれしいものだった。大雪が降る日は、一日が楽し
かった。雪だるま、雪合戦(?)、そして、アイスクリームも作って食べた
記憶がある。味はただの雪に砂糖をかけただけで、今のアイスクリーム
には敵わないと思うけど、その時はそれで良かったし楽しかった記憶である。
しかし、大人になって雪とは、ただ嬉しいものではないようだ。大雪が
降ると、まず浮かぶのは‘早く片付けなければならない’という思いだ。
最近は都内にも大雪がよく降り、我々の日常生活にも不便さをもたらして
いる。もう雪はうれしいものではなくなってしまったのだろうか。
雪が降ると再び、ただ良かった時が懐かしくなる。また、その時に戻り
たいなと思う。(H.K.)
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RESP / STAN ニュース
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