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RESP ニュース Vol.87

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構造計画研究所 RESP ニュース Vol.87 2014/1/28
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[ 目次 ]――――――――――――――――――――――――――――――
1. 各種パッケージからのお知らせ
2.  2月、3月のセミナーのお知らせ
3. KKE Vision講演 木構造のこれまでとこれから 
4. KKE Vision講演 構造解析の今昔 ~構造設計者の立場から~
5.  あとがき

[1]―――――――――――――――――――――――――――――――
各種パッケージからのお知らせ

<RESP-D>
RESP-Dでは、ユーザー様からのご要望の多かった項目として下記に
対応しました。
(1)串団子モデルの速度依存ダンパー対応
   串団子モデルでも、オイルダンパーのような速度依存ダンパーを
   考慮できるようになりました。
   なお、せん断変形のみにダンパーを作用させる場合には、モデル
   化方法で「曲げせん断分離型」を選択する必要があります。
   詳細は前号のメルマガにも記載しましたがURLを再掲します。
   http://www4.kke.co.jp/resp/topics/mailmag/doc/Vol86_doc.pdf 

(2)ブレース符号ごとの長期軸力考慮/非考慮指定
   ブレースは施工順序によっては長期軸力を負担させたい場合と
   させたくない場合があります。
   本機能追加ではブレース符号に長期軸力を考慮するかしないか
   の指定が行えるように対応しました。
   
(3)大梁の一本部材指定
   直交大梁などの関係でプログラムの都合上大梁を分割することが
   必要となる場面があります。
   そのような場合でも指定を行えば、大梁を一本の部材として検定
   することが可能になりました。
   
<RESP-F3T>
(1)固有モード、応答アニメーション作成機能追加
   RESP-Dではアニメーションの作成機能がありますが、これまで
   RESP-F3Tではアニメーションの作成が簡単には行えませんでした。
   Ver.1.4.0からは簡単な指定でアニメーションが作成できるように
   なりました。
   この機能追加により、RESP-Dから作成したモデルでなくても
   アニメーションが作成できるようになりました。
   また、RESP-Dでは未対応の串団子モデルのアニメーション作成
   も行えます。
   是非プレゼンテーション等にご活用ください。

<Bird>
 Bird-21のWindows7(32bit,64bit)に対応したインストーラを
 公開いたしましたのでご活用ください。
 どうぞよろしく お願い申し上げます。

 RESP HPよりダウンロードサイトに行けます。
 RESP HP URL :http://www4.kke.co.jp/resp 

<STAN>
 組織変更に伴いSTANクループが10月より同じ部門になりました。
 それに伴いSTANホームページがリニューアルされました。

 STAN HP URL :http://www4.kke.co.jp/stan/ 


[2]―――――――――――――――――――――――――――――――
2月、3月の開催セミナーのお知らせ

□ 2月のセミナー
【RESP-D入門セミナー】
 RESP-Dの基本入力と機能を学べるセミナーです。
 解説だけでなく、1人1台のパソコンを用いて実際に簡単な例題を行い
 ます。短時間で基本入力、機能をご理解いただける内容となっておりま
 すので是非ご受講ください。

 日 時:平成26年2月5日(水)16:00 ~ 19:00
 場 所:(株)構造計画研究所 本所新館
 受講料:無料
 内 容: RESP-Dの基本入力と機能を学べるセミナーです。
 主 催:建築構造工学部 

申し込み:https://kke.smartseminar.jp/public/seminar/view/967


□ 3月のセミナー(予定)
【制振解析体験セミナー】
 日 時:平成26年3月11日(火)
 場 所:(株)構造計画研究所 本所新館
 詳しい内容と申し込み開始は2月上旬発表予定です。
 どうぞご期待ください。 

[3]―――――――――――――――――――――――――――――――
KKEVision講演 木質構造のこれまでとこれから  
         京都大学 生存圏研究所 生活圏構造機能分野 教授 
                            五十田博氏 

木材利用のこれまでとこれから
 1959年9月に上陸した伊勢湾台風は、死者・行方不明者5,098人、前回・
 半壊住家153,890棟という甚大な被害をもたらしました。明治以来都市
 の不燃化を目指したことや木材の枯渇などの問題により木造建築の規制
 が進んでいましたが、この伊勢湾台風が引き金となり、被害から一か月
 後の10月25日には日本建築学会にて木造禁止を含む建築防災の決議が行
 われました。決議後は高度経済成長に向けて木造建築の件数自体は増加
 を続けますが、学術研究や大規模木造建築は衰退していきました。しか
 し現在では戦後植林された木材が飽和状態にあることから、木造建築の
 必要性が高まってきています。

住宅設計のこれまでとこれから
 1948年の福井地震の被害を受けて壁率(必要壁量)が導入され、昭和34
 年、56年に法整備が行われてきましたが、壁量の計算法には実際の木造
 建築にうまく適合しないなどの問題点があり、設計が容易である反面耐
 震性能が低くなります。非構造部材を用いることで安全性が上がります
 が、より確実で使い勝手の良い設計法の考案が待たれるのが現状です。

大規模木造のこれまでとこれから
 2000年に建築基準法の性能規定化が行われ、地球温暖化対策などの背景
 から木質ハイブリッド部材を用いた木質複合建築構造技術が注目され、
 建設省総合技術開発プロジェクトが発足しました。さらに2010年には
 「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律が制定されて木
 材の有効利用への道が開かれ、耐火木造の建設や上下混構造、環境配慮
 型木造などが行われました。耐火木造については改正建築基準法におけ
 る防火性能評価法の利用、燃えどまり部材(着火した部材が燃え尽きる
 ことなく自然に鎮火する構造)を用いた木材活用型耐火構造部材の提案
 などが行われています。

これからの木造
 1990年代にはヨーロッパ流の集成材構造を用いた新木造が注目されてい
 ましたが、価格面や接合部の技術的な問題などから主流なものにはなり
 ませんでした。しかし20年前と現在では情報量が異なり、過去の事例を
 参考にしつつ接合部標準化などの新しい工法の模索が期待されます。

[4]―――――――――――――――――――――――――――――――
KKEVision講演 構造解析の今昔 ~構造設計者の立場から~
                      東京理科大学 名誉教授
    一般社団法人 日本建築構造技術者協会(JSCA) 本部担当理事
                            寺本隆幸氏

 構造解析の発展とコンピュータの発展との間には密接な関係があります。
 1966年当時は構造設計事務所では資産の問題もあって解析手法が限定さ
 れていました。計算尺、算盤やタイガー計算機、モンロー計算機などに
 よる四則演算で構造設計を行うのが一般的でした。
 一方、寺本先生が所属していた日建設計では1965年にIBM1620が導入さ
 れ、骨組み解析が多次元まで可能になり、振動解析プログラムが開発さ
 れました。1965年には新しい設計プロジェクトが始まる度に、設計内容
 に合わせたプログラムの能力拡張が行われ、最終的にはどんな構造物で
 も解析可能な任意系振動解析プログラムが開発されました。
 現在では基礎知識がなくても解析データの入力を行うだけで解析結果が
 得られる時代となりましたが、このことが構造設計者としての職能を低
 下させています。構造解析は構造物をモデル化し、そのモデルに基づい
 て解析をしています。そして全てのモデル化は構造解析上の仮定事項
 (技術慣行)の上に成り立っています。構造解析における原因と結果には
 解析理論を通じてのみ解釈できる因果関係が存在し、そこには仮定事項
 (技術慣行)が深く関わっています。よってコンピュータ解析初期の曖昧
 な仮定の元に得られた結果は曖昧なものであり、精解であるが正解とは
 限りません。構造設計者は現在使われている仮定事項の曖昧さを理解し、
 現在の解析技術に応じた新たな仮定の導入、より高度なモデル化を目指
 し、有効な技術慣行を模索するべきなのです。

[5]―――――――――――――――――――――――――――――――
あとがき (RESP担当者近況)

 ◆ 先日連休を利用して上杉謙信縁の春日山城跡に行って来ました。山
 城ですが、いわゆる平野の中にぽつんとそびえる山で、山頂付近の神社
 の駐車場まで車で登っていけるため、頂上までは比較的楽に行くことが
 できました。戦に出る前に参ったといわれる毘沙門堂やそこに供える花
 を栽培するお花畑が頂上付近にあり、謙信の人となりを感じることが出
 来ました。(Y.K.)

 ◆ ご報告が遅くなってしまいましたが、昨年秋の組織変更による人事
 異動で、STANとmidas(Gen/FEA)を担当しているチームが、RESPチームに
 合流することになりました。まだまだドタバタした日々を過ごしており
 ますが、日本で広く利用されている構造解析製品が一つのチームに統合
 されましたので、シナジー効果を最大限に発揮してユーザの皆様のご期
 待に応えるべく、チーム一丸となって取り組んでまいりますので是非ご
 期待ください。(I)



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         発信:株式会社 構造計画研究所 建築構造工学部
                  〒164-0011 東京都中野区中央4-5-3
      mail:連絡先  TEL:03-5342-1134  FAX:03-5342-1234
                   
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