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RESP&Bird-21 ニュース バックナンバー

RESP&Bird-21 ニュース Vol.67

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構造計画研究所 RESP&Bird-21 ニュース Vol.67 2009/7/3
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本メールは、構造計画研究所RESP&Bird?21の最新情報をお伝え
するメールニュースです。RESP&Bird?21を御導入していただい
ている企業の担当者様、技術的問い合わせ・各種アンケート・意見交換・技
術指導をしていただいた方を対象に、月1回程度の予定で発信しております。
配信変更・追加・停止等につきましては、本メールの末尾をご覧下さい。

[ 目次 ]??????????????????????????????
 1.国土地理院、都市圏の活断層地図をインターネットで無料公開
 2.広島技術セミナー開催報告
 3.弊社の内部組織変更により、建築RESP室の所属部門が変更に
 4.RESP-F3T(3次元フレーム新汎用解析プログラム)の機能追加状況
 5.スパース・マトリクス・ソルバによる計算高速化について(その2)
 6.あとがき


[ 1 ]???????????????????????????????
国土地理院、都市圏の活断層地図をインターネットで無料公開

国土地理院が、都市圏の活断層地図をインターネット(下記URL)で無料
公開しました。
http://www1.gsi.go.jp/geowww/bousai/menu.html

上記ページの左側縦メニューの項目「インターネットで見る都市圏活断層図」
をクリックすると「都市圏活断層図」が開きます。
閲覧するには、GIS閲覧用のプラグインが必要ですので、ページの記載に従っ
てダウンロードし、インストールを行います。
「索引ページはこちら」をクリックすろと、日本地図の中からエリアを選択
して、詳細図の閲覧が可能です。
選択可能な都市エリアは、大都市だけでなく地方都市もある程度網羅してお
り、特に構造線に沿う領域のデータが揃っています。

グーグルマップを見慣れた目には、情報量が限定されていることや、読み取
りづらい箇所が気になりますが、活断層という専門性の高い情報が、公的機
関からインターネット上のGISを介して無料公開されたことは、画期的な
成果ではないかと思います。

後は、性能評価の部会資料や大規模案件における施主への提案など、活用す
る側の工夫次第で、有効活用できるのではないかと思われます。


[ 2 ]???????????????????????????????
広島技術セミナー開催報告

去る平成21年6月17日(水曜)に、広島にて技術セミナーを開催いたし
ました。恵まれた天候の下、極めて盛況に開催することができましたことを、
参加していただきました皆様、並びに講演者の清水氏、共同主催の新田氏に
感謝いたします。

 表  題:施設設備・工作物の耐震検討と地震対策
      ?最新動向および検討事例のご紹介?
 基調講演:清水 敬三 氏(日本ERI株式会社)
 日  時:平成21年6月17日(水曜)13:30?16:30
 場  所:メルパルク広島
 主  催:新田建築構造研究所・構造計画研究所

 他の講演:構造計画研究所における評価事例のご紹介
      ・地震危険度をふまえた地震災害リスク評価と事業継続計画
       (BCP)
      ・高層RC造煙突の耐震検討事例

 清水氏のご講演では、高層・免震・工作物に関する建築性能評価の基本的
 な考え方、申請手順、作業の流れ等を詳しく紹介していただきました。
 実際の申請書類の例や申請手順を示しながら説明をしていただき、理論や
 技術だけでない実務のリアリティが伝わったのではないかと思います。

 弊社担当者2名による講演では、事業継続計画(BCP)を軸に弊社全般
 に渡るコンサルティング内容を紹介したものと、具体的に高さ90mの
 RC造煙突の性能評価を受けた事例紹介、工作物のFEM解析事例などを
 ご紹介することができました。

 会場の関係から、時間・席数とも制約がある中での開催となり、十分な数
 の机が用意できなかったこと、また、討論に時間が割けなかったことなど
 の不手際について、お詫びを申し上げたいと思います。


[ 3 ]???????????????????????????????
弊社の内部組織変更により、建築RESP室の所属部門が変更に

7月1日は、弊社の新しい会計年度の初日にあたります。新年度に際して、
組織の改変が行われ、我々建築RESP室は、今年度から新たに発足する
「防災ソリューション部」に配属することになりました。

我々に加えて、地震動評価・地震リスク評価を専門とするメンバーが集結し
ます。人材交流によって、新たな相乗効果を生み出していかねばなりません。
RESPの今年の活動に期待してください。


[ 4 ]???????????????????????????????
RESP-F3T(3次元フレーム新汎用解析プログラム)の機能追加状況

RESP-F3Tの機能追加状況を以下に示します。立体振動解析以外の機能も充実
してまいりました。

 ・株式会社ブリヂストン免震装置MRB対応
   ひずみ依存バイリニア(高次式によるKg、Kh、Kuによる)に対
   応しました。汎用型として高次式の係数を入力する必要がありますが、
   性能評価式だけでなく任意の評価式に対応できます。
   本特性は、マルチ・シア・スプリングなどにも適用可能です。

 ・双曲線H?Dモデル対応
   ハーディン・ドルネビッチ(Hardin-Drnevich)が提案する骨格曲線
   に、履歴規則としてメイシング(Masing)則を組み合わせた非線形
   特性を機能追加しました。荷重増分解析向けに逆行型にも対応して
   います。
   主に地盤に利用されるモデルですが、降伏点に対して漸近していく
   特性(頭打ち)が使いやすく、一般構造材料にも適用出来そうです。

 ・荷重増分解析結果のQ?δグラフ作成機能追加
   RESP?F3のような荷重増分解析を行った結果の図化に対応しま
   した。F3Tでは、立体応答解析が簡単なことから、静的荷重増分解
   析が実施される頻度が低く、図化機能が後回しになっていましたが、
   ようやく対応いたしました。

 ・フレーム応力の図化機能の補足
   曲げモーメント図だけでなく、せん断力図・軸力図の図化に対応しま
   した。また、支点反力・支点ばね反力の数値表示機能を追加しました。

 ・剛性率・偏心率の計算機能追加
   弾性解析結果だけでなく、荷重増分解析結果(割線剛性)に対して剛
   性率・偏心率を計算することができます。
   現在開発中のF3Tを用いた一貫処理システムに組み込む為に開発し
   た機能です。


[ 5 ]???????????????????????????????
スパース・マトリクス・ソルバによる計算高速化について(その2)

前回は、構造解析で現れる全体剛性マトリクスは、スパース・マトリクス
(疎行列)であり、現在の高速解法は大きく2種類の直接解法に収束しつつ
ある、というようなお話をしました。

スパース・マトリクスの解法は、その時代の要請、および、その年代の計算
機環境に合墲ケて、次々と新しいテクニックが開発されてきました。
発展の歴史を簡単にまとめると下記のようになります。

・1950年代?1960年代中頃
 まだ計算機の能力が非常に小さく、大型マトリクスを解くという発想自体
 が始まったばかりです。主にバンドマトリクスを基本に、素朴な手法が利
 用され始めるようです。研究の面では、フィルインを減らす様々な方法が
 提案され始めます。

・1960年代中頃?70年代中頃
 研究面だけでなく実務面でも、グラフ理論が導入され、演算量を最小化す
 る努力が行われるようになります。現実的な方法としてバンド幅の最小化
 を目指したスカイライン法(RESP-F3Tでも採用)や、理論上の理想として
 フィルインの発生頻度を最小化させる方法が利用され始めるようです。

・1970年代中頃?80年中頃
 ベクトル型スーパーコンピュータの成功によって、研究開発の方向性が2
 つに分かれていきます。一方は、少々の効率の悪さよりも、ベクトル機の
 膨大なパワーを活用する現実派タイプであり、もう一方は、理論的な最小
 演算量を追求する計算科学的正統派タイプです。
 スパースの状態によって解法を使い分けるような高度な実装も登場します。

・1980年代中頃?90年中頃
 スカイライン法を基本に、より大きな問題を効率良く解くためのにブロッ
 ク化した方法(RESP-Tで採用)や、フィルインを最小にする方法を追求し
 た結果としてウェーブフロント法(RESP-F3で採用)が使われるようにな
 ります。
 マルチプロセッサ型のスパコンの登場によって、演算の並列化に研究の中
 心が移っていくようです。実務的にはパラレルスカイライン法などが使わ
 れ、研究的にはマルチフロンタル法、スーパーノード法(このたびF3T
 に追加)が登場します。

・1990年代中頃?現在
 マルチフロンタル法やスーパーノード法の優れた実装が登場して実務で利
 用され始めます。特に、非線形FEM解析プログラムにおいては、一斉に
 これらの高速解法を取り入れましたが、建築向けの構造解析では、この頃
 からマトリクス解法の技術導入が止まってしまいます。
 スパコンの世界では、ベクトル型に代わって、スカラー分散処理型が主流
 になり、大規模分散処理が研究の中心になります。

建築のフレーム構造解析では、連続体のFEM解析に比べて未知数が少なく、
超高層ビルでも1万前後、比較的大規模な問題でも2?3万自由度で済んで
おり、分散処理などの最新の研究成果を取り入れる重要性が薄れてきている
と言われています。しかし、パソコンの中身は、かつてのスパコンの発展と
同じ道を辿っており、昔のスパコン向けの手法が活用できる状況であると言
えます。

次回は、具体的な各方法のメリット・デメリットを紹介したいと思います。


[ 6 ]???????????????????????????????
あとがき(RESP&Bird-21担当者近況)

◆1級建築士「学科の試験」が7/26(日)に行われます。残すところあと1ヶ
月を切り、受験者にとっては追い込みの段階にきています。私も今年受験を
予定しておりますが、実は今年のゴールデンウィークに10日程入院をするこ
とになってしまいました。幸いにして症状も軽く、ベッドに張り付けという
わけではなかったので、逆に入院期間中は集中して試験勉強に取り組むこと
ができ、直後の模擬試験では合格ラインぎりぎりの点数を取ることができま
した。今年の1級建築士試験の受験を予定されている皆様、お忙しいことと
存じますが、最後まで諦めず、ぜひ一緒に合格を勝ち取りましょう!(S3)
◆先日、新幹線N700系に乗る機会がありました。新型インフルエンザと
不況のせいで乗客数が減ったというニュースを聞いていたのですが、空の便
のストライキ騒動に重なり大変な混みようです。窓側全席の足下にずらりと
電源コンセントが並び、無線LANサービス中という表示が見えます。新幹
線は寝るものと決めていたのですが、世のデキるビジネスマンの気持ちを味
わってみようとばかりにPCを広げてみると、名古屋に差し掛かる前に気分
が悪くなってしまいました。振動解析のプログラミングは乗り物酔いを誘う
のかもしれません。デバッグというのがマズかったのかもしれません。
「移動空間をいつものオフィス環境に」。私はくじけました。(Y)


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RESP&Bird-21 ニュース
              発信:株式会社 構造計画研究所 耐震技術部
                  〒164-0011 東京都中野区中央4-5-3
      mail:連絡先  TEL:03-5342-1138  FAX:03-5342-1238
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