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構造計画研究所 RESP&Bird-21 ニュース Vol.63 2008/8/22
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本メールは、構造計画研究所RESP&Bird?21の最新情報をお伝え
するメールニュースです。RESP&Bird?21を御導入していただい
ている企業の担当者様、技術的問い合わせ・各種アンケート・意見交換・技
術指導をしていただいた方を対象に、月2回程度の予定で発信しております。
配信変更・追加・停止等につきましては、本メールの末尾をご覧下さい。
[ 目次 ]??????????????????????????????
1.「施設設備・工作物の耐震検討および地震対策」セミナーのご案内
2.「地震時の構造不安定とその照査法」出版記念セミナーのご案内
3.「KKE VISION 2008」開催のお知らせ
4.材端ばね法の6EI/Lって何だろう
5.あとがき(RESP&Bird-21担当者近況)
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「施設設備・工作物の耐震検討および地震対策」セミナーのご案内
昨年の建築基準法の改正や、多発する地震被害の影響によって、施設設備・
工作物の設計に関する考え方が大きく変化してきました。しかし、マンショ
ンやオフィスビルのような類型的な建築物と異なり、設計・解析・性能評価
に関する情報があまり豊富とは言えない状況が続いています。
弊社では、施設設備・工作物の耐震検討および地震対策に関するセミナーを
行う運びとなりました。ご活用いただければと思います。
日時:平成20年9月4日(木曜) 13:15?17:00
場所:弊社 新館地下1階 レクチャールーム
費用:参加費無料(定員80名)
本セミナーでは、清水敬三氏(日本ERI株式会社 高層評定委員会委員)
を基調講演講師として迎え、基準法の解釈と現状の審査・評価の解説、さら
に事務手続きまで説明していただきます。
第2部では、弊社の担当者から、下記の4テーマの事例紹介をいたします。
・地震危険度をふまえた地震災害リスク評価
・高層RC造煙突の耐震検討事例
・タンクの地震検討事例
・構造物の崩壊を予測する照査法の提案
参加申し込み・詳細は、下記ウェブページの「お知らせ」をご覧ください。
http://www4.kke.co.jp/resp/
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「地震時の構造不安定とその照査法」出版記念セミナーのご案内
この度、九州大学大学院の大塚久哲教授(前建設省土木研究所耐震工学室長)
と弊社の為広尚起(工博・建設企画室長)の共著による「地震時の構造不安
定とその照査法」を出版する運びとなりました。これを記念して、両著者の
講演のほか、構造物の耐震と維持管理に関わる話題をご提供するセミナーを
開催いたします。
日時:平成20年8月26日(火) 13:00?17:00
場所:弊社 本所新館 地下1階レクチャールーム
費用:参加費無料(定員80名)
セミナー内容
・構造物の崩壊を予測する照査法の提案
構造計画研究所 建設企画室長 為広尚起
・最近の維持管理に関わる話題
・土木構造物の地震リスク評価
・交通振動による橋梁の劣化検討
・各種設備・施設の損傷予測
・耐震工学から見た社会インフラの安心・安全
九州大学大学院 大塚久哲教授
参加お申込み・詳細は、下記ウェブページをご覧ください。
http://www4.kke.co.jp/kaiseki/seminar/20080826/2008026seminar.pdf
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「KKE VISION 2008」開催のお知らせ
弊社主催のセミナー・展示会「KKE VISION」を下記の要領で開催いたします。
解析ソフトだけでない弊社を理解していただく絶好の機会だと思います。
会 場:ANAインターコンチネンタルホテル東京
日 時:2008年9月26日(金曜)
基調講演:9:50?12:00
公教育の未来 ?「つなげる力」で子どもたちを解き放て?
前杉並区立和田中学校校長 藤原 和博 氏
多様で複雑な成熟社会。価値観が多様化し「万人にとっての正解」
がない時代では、自分自身の価値観に照らして納得し、かつ他人も
納得させるような解を求める技術が必要となってきます。そのため
には、知識を社会との関係性の中で応用し、情報、経験、人を「つ
なげる力」を家庭、教育の現場で磨いていく必要があります。
本講演では、コミュニケーション力の低下等に見られる日本の教育
問題の本質、子供たちがこのような社会を生きるために、本当に必
要な力、「情報編集力」についてご紹介し、日本の教育の未来を考
えます。
RESP&Bird-21のユーザ様に関連が深いセミナーを下記に紹介いたします。
トラックA 構造的見地からの大地震検証と構造の将来展望
A-1 建物・構築物の耐震設計の現状と展望
日本大学大学院 教授 秋山 宏 氏
A-2 新鋼材を用いた新しい架構形式
東京大学 名誉教授 高梨 晃一 氏
A-3・4 四川大地震調査レポートから
?中国の建築構造の実態・耐震規定・耐震補強の方向?
東京工業大学総合研究院/
建築物理研究センター 社会開拓研究部門 教授
和田 章 氏
中国建築科学研究院 耐震工程研究所 元所長・研究員
王 亜勇 氏
株式会社 構造計画研究所 上海代表処 首席代表
郭 献群
株式会社 構造計画研究所 防災・環境部 技術担当
司 宏俊
トラックB 長周期地震動と都市災害 ?巨大地震被害の予測と対策?
B-1 大地震により生まれる長周期地震動とその予測
東京大学大学院 情報学環 総合防災情報研究センター 教授
古村 孝志 氏
B-2 超高層建築物の防災対策
独立行政法人 建築研究所
国際地震工学センター 上席研究員
斉藤 大樹 氏
B-3 石油タンクのスロッシング対策
総務省 消防庁 消防研究センター
技術研究部 地震等災害研究長
座間 信作 氏
B-4 通信施設・機器の耐震対策
株式会社NTTファシリティーズ 研究開発本部
リスクマネジメントシステム部門 主任研究員
土肥 博 氏
会場では展示も行っております。開発関係者がユーザ様と直接意見交換
できる貴重な機会ですので、ぜひお立ち寄りいただければと思います。
詳細・申し込みは、こちらへ
http://www.go-event.info/kv2008/
[ 4 ]???????????????????????????????
材端ばね法の6EI/Lって何だろう
お客様からの問い合わせ電話で、時々話しが噛み合わないことがあります。
サポート担当である私にとって、この6EI/Lの件もそんな話の一つだっ
たのですが、最近、ベテラン?のお客様との何気ない会話から、解決のヒン
トが得られました。恐らく、モヤモヤとした印象を持たれているユーザ様も
多いと思いますので、ここでご紹介いたします。
ご存知のようにRESPシリーズでは、曲げとせん断の変形が同時に生じる細長
い材(柱や梁)を梁要素でモデル化しています。梁要素は、平面保持の仮定
に基づいて、両端の並進・回転によって生じる変形を記述しています。いわ
ゆる理論解と言われるモデルになりますので、長さと材料定数さえ与えれば、
精度の良い解が得られます。
では6EI/Lの設定とはなんぞや、という話になるのですが、これを説明
する前に、先に材端剛塑性ばね法を説明する必要があります。
RESPシリーズは、柱梁端に生じる塑性ヒンジを材端回転ばねによってモデル
化しています。部材が弾性の領域では、材端ばねを剛(剛性が無限大)と仮
定し、塑性ヒンジが発生する段階で、初めて材端回転ばねを有効にする方法
であり、これは、一般に材端剛塑性ばね法と呼ばれています。
復元力特性の初期剛性の部分で、材端ばねが無限大とするのであれば、普段、
設計者が思い描いている材端の曲げ復元力特性の初期剛性は何なのか、とな
ると思います。ここまで説明を進めて、ようやく表題に近づいてきましたが、
これが問題の6EI/Lなのです。
RESPでは、梁要素の曲げの復元力特性の初期剛性として、デフォルトでは
6EI/Lを採用しています。この式は、逆対称モーメント分布状態の梁の
理論解と同じ変位にするための、等価な材端回転ばねの値を示します。
要するに、ひび割れ後・降伏後の剛性低下率を定めるときの基準となる初期
剛性として、梁のモーメント分布として逆対称モーメント状態を前提に定め
ているということになります。ただし、これはあくまでも剛性低下率の基準
となる剛性ですので、弾性領域では決して使われることはありません。
では、なぜ、ベテランユーザが弾性解析に関係すると勘違いされたのでしょ
うか。冒頭の会話から分かったことは、他社の梁要素では、弾性領域から材
端ばね法を採用しているものがあるということです。マルチスプリング梁要
素などは、昔から使われてきた方法ですが、梁の曲げとせん断の変形を、大
胆にも両端の回転ばねだけで表現するものがあります(ばね間は剛な棒)。
連続的にしなやかに変形する梁を、両端の回転ばねだけで表現しようとする
のはかなり無理がありますが、塑性ヒンジが発生してしまえば、ヒンジでの
変形が支配的になりますので、モデル化上の無理は目立たなくなります。
しかし、片持ち梁のように、モーメント分布が逆対称にならない場合には、
全く見当違いな結果しか得られません。片持ちでは4EI/Lに設定する必
要があります。
おそらく、勘違いされたユーザ様は、他社製の解析プログラムで弾性領域を
解く場合に、材端回転ばねの設定を正確に行わねばならないという経験をさ
れており、その経験から、梁には材端回転ばねの設定が重要だと認識された
のだと思います。
RESP-F/F3/F3D では、この基準剛性6EI/Lの値を直接指定するのではな
く、「柱梁の反曲点位置」として指定します。さらに実際は、せん断変形も
加えてもう少し複雑な式になっています(理論マニュアル1.6節参照)。
通常のラーメン構造であれば、柱梁に逆対称モーメントが発生しますが、
複雑な構造物ではその限りではありません。材端剛塑性ばねの基本を理解し
て、適切な剛性が与えられるように運用していただければと思います。
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あとがき(RESP&Bird-21担当者近況)
◆夏と言えば、皆さんは何を思い出しますか?海、山、スイカ、かき氷、
花火、蝉の声・・・ この季節は色々なものがありますね。子供たちからは
「夏休みの宿題?」という声が聞こえてきそうです。さて、大人な私はとい
うと、ビールと枝豆で決まりです。「やっぱり、そうだよね!」と賛同して
いただける方も多いのではないでしょうか?実は私、お酒はさっぱりでして
(こらこら!)、ビールを楽しむ人たちを眺めながらコーラで枝豆を食べて
ます。夏っていいですね。(O)
◆記事でご紹介のとおり、8月末から9月にかけてイベント盛りだくさんで
す。この他にも建築学会大会があり、さらに、8月29日(金)?31日(日)には
日本免震構造協会15周年記念イベント「来て!見て!乗って!免震」が日本
科学未来館で開催されます(http://www.jssi.or.jp/15kinen/kinen.htm)。
子供向けの体験教室やゲームコーナーもあり、夏休みの終わりに家族そろっ
て出かけるのもよろしいかと思います。私はニ震体験車の乗り比べをと考え
ています。(U)
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RESP&Bird-21 ニュース
発信:株式会社 構造計画研究所 耐震技術部
〒164-0011 東京都中野区中央4-5-3
mail: TEL:03-5342-1138 FAX:03-5342-1238
http://www.kke.co.jp/resp/
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