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RESP&Bird-21 ニュース Vol.54

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構造計画研究所 RESP&Bird-21 ニュース Vol.54 2007/6/6
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本メールは、構造計画研究所RESP&Bird?21の最新情報をお伝え
するメールニュースです。RESP&Bird?21を御導入していただい
ている企業の担当者様、技術的問い合わせ・各種アンケート・意見交換・技
術指導をしていただいた方を対象に、月2回程度の予定で発信しております。
配信変更・追加・停止等につきましては、本メールの末尾をご覧下さい。

[ 目次 ]??????????????????????????????
 1.RESP-F3T(3次元フレーム汎用解析プログラム) について
 2.一貫構造計算プログラムの大臣認定で移行措置
 3.改正限界耐力法の悩みの種「地盤調査に基づく表層地盤の増幅係数」
 4.E?ディフェンス ブラインド解析コンテスト2007の紹介
 5.非線形解析における反復計算について(その2:なぜ反復しないのか)
 6.あとがき(RESP&Bird-21担当者近況)


[ 1 ]???????????????????????????????
RESP-F3T(3次元フレーム汎用解析プログラム) について

弊社のフレーム弾塑性解析プログラム RESP?F/F3/F3D は、高層・免震構造
の評定物件に威力を発揮するプログラム、実績豊富な実務的な解析ソフトと
してユーザ様に親しまれております。誠にありがとうございます。

ただ、当初の開発からはかなり時間が経過しており、プログラムの完成度が
高まるのと反比例する形で、新しい要求に答えられない場面が出てきている
のも事実です。
特殊な要求に対しては RESP?T(立体構造物の汎用解析ソフト)にて対応す
る方針を採ってきましたが、気軽につかえるビル建築専用ソフトから、気難
しい汎用解析ソフトへの切り替えには大きなギャップがあり、使い勝手とし
て両者の間を埋めるようなソフトに期待する声をいただいておりました。

そこで、現在 RESP&Bird-21 グループでは、F3/F3D と T を補完する解析ソ
フトとして、RESP-F3T の開発を行っております。プログラム位置づけとし
ては、下記のように考えています。

 ・F3/F3D と組み合わせて、汎用解析の領域までフォローキる
    F3/F3D にてうまく対応できない問題をフォローします
    F3T 単体では、汎用解析としての入力データを受け付けます
 ・F3/F3D との連動機能(F3結果の変換)などを装備する
    Bird-21 → F3/F3D → F3T のデータ変換経路となります
 ・土木分野に軸足を移しつつあるTに対して、建築分野の専用とする
 ・下記のような新しい構造解析のテーマに対して取り組んでいきます
   - 連層コア壁
   - 鉛直動・水平動の同時加振解析
   - 地盤-杭-建物の一体解析
 ・機能の豊富さにおいてはTに任せる
    幾何学的非線形・特殊な復元力特性などは当面の対応予定は無し

現在は、まだ全ての解析機能が実装されておらず、後処理(図化など)の整
備も不十分な状態ですが、一部の機能を使った解析サービスがスタートして
おります。一般発売を目指して、鋭意開発中ですのでご期待ください。


[ 2 ]???????????????????????????????
一貫構造計算プログラムの大臣認定で移行措置

5月24日、日刊建設工業新聞において下記のように報じられました。

「国土交通省は、改正建築基準法が施行される6月20日の時点で、構造計
算プログラムの大臣認定が間に合わない可能性が高いため、移行措置を取る
方針を固めた」

    日刊建設工業新聞社の記事
    http://www.decn.co.jp/Lineup/topnews/top070524.htm

現在、RESP&Bird-21 グループとしては、Bird-21の基準法準拠に向けた作業
を開始しており、順次対応を進める予定にしております。


[ 3 ]???????????????????????????????
改正限界耐力法の悩みの種「地盤調査に基づく表層地盤の増幅係数」

前号のあとがきにて、改正限耐法の地盤増幅が凄い、と印象を記したところ、
少なからず反響をいただきました。しかし、どこが凄いの? という方もま
だまだおられるようです。免震建物に適用する場合に悩みとなる部分だけに
絞ってご紹介いたします。

 1.地盤の非線形特性(G?γ・h?γ曲線)に関する表(別表第1・2)
   が削除され、地盤調査での物性試験結果か、建設地点の特性を論文・
   データベースから参照することが求められます。
   別表1・2の非線形特性曲線自体については、賛否両論あったかと
   思われますが、当面の資料の揃わない間は、地盤調査(物性試験)
   が求められることになりそうです。
 2.地盤の状況を調べるボーリングは、工学的基盤の深さの5倍を半径
   とする範囲を調べる必要があります。
   都内で半径の5倍も取れば、敷地からはみ出してしまいそうです。

上記2点は、いずれも解説文の内容ですので、実際の運用では、解釈が緩和
される可能性があります。また、上記以外では細かく改善されています。
限耐法に関する今回の改正は、現状ではいろいろと問題がありそうですが、
時間が経てば、かなり現実的な設計ルートになりそうな期待が持てます。


[ 4 ]???????????????????????????????
非線形解析における反復計算について(その2:なぜ反復しないのか)

前回は、静的非線形解析(荷重増分解析)において、なぜ荷重増分する必要
があるのか、というお話をさせていただきました。今回は、動的解析におい
て、なぜ反復計算をしないのか、についてご紹介したいと思います。

前回でも説明したとおり、部材の非線形性を評価しようとすると、各計算ス
テップにおいて、接線剛性から計算される応力と、復元力特性曲線から期待
される応力との間に不整合(不釣合い力)が発生してしまいます。これを、
不平衡力と呼んでおり、何らかの方法で解消する必要があります。静的解析
では、不平衡力を荷重漸増と反復計算を組み合わせて解消しています。

一方、動的解析ではどのように処理されるのでしょうか。RESP の動的解析
では反復計算を行っていません。RESP では、不平衡力を次ステップの外力
に加算することで、不釣合い力の解消を行っています。

では、なぜこのような解析方法を採用するのでしょうか。
それは、非線形動的解析において、ある瞬間の釣り合い点を求めることが、
かなり難しいためです。現在では、材料非線形(復元力特性のループ)だけ
でなく、ハードニングバネ・速度依存型ダンパー・瞬間剛性比例型減衰など、
非線形の解析用件が多種多様になっています。この結果、反復計算中にも履
歴追跡が発生して収束目標が変化することや、力の釣り合い点が複数存在す
る状況など、力の釣り合い計算だけでは単純に収束させられない場面が増え
てきています。このため、正確な収束計算を行うには、収束目標の設定に関
して膨大な場合分けや、エネルギー的考察が必要になってきます。

このような状況では、1ステップあたりの計算速度が大幅に低下し、かつ、
収束に関する膨大なプログラミングの信頼性の確保が難しくなることから、
RESP では反復計算を行わず、積分刻み時間を細かく取ることで、計算精度
を確保するアプローチを取っています。同一時刻内の力の釣り合いが成立し
ていないことを心配される方がおられますが、これは衝撃加速度法や中央差
分法といった陽解法の考え方を取り入れた方法で、時間刻みが小さければ十
分な計算精度が得られるという考え方です。

このため、RESP で非線形時刻歴解析を行う場合には、積分刻み時間を短く
設定する必要があります。経験的には、通常の解析で 1/500?1/1000秒程度
であれば十分な精度が得られますが、速度依存ダンパーを利用する場合には
1/5000 程度が必要になります。
刻み時間が十分かどうかの判断は、刻み時間を仮に半分に設定した試験解析
を行ってみて、結果に有意な差が無ければ十分な短さと判断できます。

RESP の非線形振動解析では、計算精度が積分刻み時間に大きく依存してい
ることに注意して、十分な精度が得られる刻み時間を設定していただくこと
が重要といえます。


[ 5 ]???????????????????????????????
E?ディフェンス ブラインド解析コンテスト2007の紹介

防災科学技術研究所は、E?ディフェンス振動台を使った実大4層鋼構造建
物の完全崩壊再現実験に対するブラインド解析コンテストを実施することを
発表しました。

  「ブラインド解析コンテスト2007」紹介ページ
     http://www.blind-analysis.jp/index.html

  申し込み締め切り:8月10日

鉄骨造の実大実験に先だって試験体の挙動の推定を行い、実験結果と照合し、
推定の正確さを競うコンテストです。上記ページによれば、試験体の特徴は
下記のとおりです。

  ・角形鋼管柱とH形鋼梁からなる純ラーメン構造
  ・柱梁接合部は、通しダイアフラム形式の溶接接合
  ・梁端接合部は、降伏比・破壊靭性が規定されたSN材を使用
  ・溶接は、ノンスカラップ・固形エンドタブ工法 
  ・柱脚形式は、露出形式
  ・非構造材は、ALC外壁・乾式パネル内壁・天井あり

RESPシリーズを用いたとしても、設計時に行うような理想的な解析条件では、
実験結果の推定は難しいと思われます。通常行っている設計時の解析に関し
て、どの程度の安全率、またはどの程度の誤差があるのか、体験する良い機
会ではないでしょうか。


[ 6 ]???????????????????????????????
あとがき(RESP&Bird-21担当者近況)

◆今年は季節という言葉を忘れてしまいそうな気候が続いていますが、天気
がよければドライブ、ツーリングなど楽しめる季節。少し古くなってしまっ
たユーノス・ロードスター。 愛車での移動では、天気がよければオープン
で走って楽しみます。雨さえ降らなければ。。。梅雨が空けてしまうと、厳
しい直射日光に耐えられない季節。雨、雪不足の今年は特に恵みの雨なので
すが、楽しめるのは今しかない。天気予報に一喜一憂しています。(U2)
◆先日、社内のイベントで川柳を詠み合う機会がありました。川柳は五七五
の音を持つ詩の一つで、季語や切れの制限等の難しい制約はありません。最
近は自治体や企業の川柳公募も増加し、多種多様なテーマで川柳が詠まれて
いますね。今日一日を振り返ただけでも一句詠めそうな、非常に親しみやす
いものだと分かりました。一方で、経験したこと、感じたことをいかに上手
く五七五の十七文字の世界に編集するかという高い知恵とセンスが必要だと
実感しました。さて、川柳で頭を捻っているうち、地元で非常にインパクト
の強い標語をふと思い出しました。「交通ルール 守って長生き百歳百歳」
このリズム、主張、大変に記憶に残る標語です。歯切れの良い短文に、主張
を込める点では、川柳も標語も共通点があるように思いました。(I)
◆暇そうな会社だと誤解されないよう忙しいヤツも一言加えろ、と元上司か
ら指示されて書いてます。構造関係に暇人は居ないと思うのですが。(Y)


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RESP&Bird-21 ニュース
              発信:株式会社 構造計画研究所 耐震技術部
                  〒164-0011 東京都中野区中央4-5-3
      mail:連絡先  TEL:03-5342-1138  FAX:03-5342-1238
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