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構造計画研究所 RESP&Bird-21 ニュース Vol.53 2007/5/12
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本メールは、構造計画研究所RESP&Bird?21の最新情報をお伝え
するメールニュースです。RESP&Bird?21を御導入していただい
ている企業の担当者様、技術的問い合わせ・各種アンケート・意見交換・技
術指導をしていただいた方を対象に、月2回程度の予定で発信しております。
配信変更・追加・停止等につきましては、本メールの末尾をご覧下さい。
[ 目次 ]??????????????????????????????
1.RESP-M/II 東海ゴム工業TRCダンパー(粘弾性)に対応
2.ネットワーク・ライセンス・マネージャ(LM)の更新について
3.非線形解析における反復計算について(その1:なぜ増分するのか)
4.あとがき(RESP&Bird-21担当者近況)
[ 1 ]???????????????????????????????
RESP-M/II 東海ゴム工業TRCダンパー(粘弾性)に対応
このたび、RESP-M/II(建築構造物の質点系振動解析プログラム)のマイナー
バージョンアップを行い、東海ゴム工業TRCダンパー(粘弾性型)に対応
しましたので、その概要を紹介いたします。
TRCダンパーは、スチレンオレフィン系粘弾性材料を用いた建築向けの制
振装置です。厚さ1cm程度の粘弾性体二枚を、壁状の鋼板の間に挟んで、
せん断変形させることでエネルギーを吸収します。
RESP-M/II では、本粘弾性体の温度依存性・ひずみ依存性について、
東海ゴム工業が提案する推定式に従い、温度については初期温度を評価し、
ひずみ依存性については時刻歴解析中に適宜評価することで対応しています。
TRCダンパーの詳細は、下記の東海ゴム工業の発表資料をご覧ください。
http://www.tokai.co.jp/pressrelease/2005/n05-08-04.pdf
本機能に対応したRESP-M/II は、Windows Vista および Windows セキュリ
ティー対応に合わせて、技術サービス(保守)契約ユーザ様に、一斉発送す
る予定にしております。
[ 2 ]????????\??????????????????????
ネットワーク・ライセンス・マネージャ(LM)の更新について
先月末に一斉送付させていただきました RESP-M3・RESP-F3/F3D のユーザ様
から、ネットワーク・ライセンス・マネージャ(LM)を更新する必要があ
る件について、何点かお問い合わせをいただきました。疑問を感じつつ作業
を行っていただいた方も多いように感じます。Q&A形式でまとめさせてい
ただきます。
・なぜネットワーク・ライセンス・マネージャを更新する必要があるの?
ウィンドウズのセキュリティの仕組みがXPのサービスパック2以降
で変更され、ネットワークプロテクトで使用していた通信手順と暗号
強度が、既存不適格になってしまったためです。
ネットワークプロテクトの開発会社側は、成長不能の状態を打開し、
新しいセキュリティポリシーに適合するために、サーバー側のプログラ
ム(ライセンス・マネージャ:LM)も更新することになりました。
・新しいライセンス・マネージャ(LM)の、バージョン番号は?
新版:Ver.8.3x
旧版:Ver.8.0x
・LMを更新すると、いままでのRESPは動かなくなるの?
サーバー側プログラムであるライセンス・マネージャ(LM)には、既
存プログラムとの互換性がありますので、置き換えても古いRESPが
動かなくなることはありません。
・最新セキュリティーの必要が無いので、更新せずに放置してもよい?
今後リリースするRESP&Bird-21プログラムは、全て新版のライセンス・
マネージャ(LM)が稼動していることを前提にいたしますので、お手
数ですが、更新をお願いいたします。
[ 3 ]???????????????????????????????
非線形解析における反復計算について(その1:なぜ増分するのか)
現在、RESPを利用した解析などで、あたりまえのように使われている非
線形解析の技術ですが、卒論や修論において特別に取り組まれた方以外は、
あまり詳しく勉強する機会が無かったのではないでしょうか。ここでは、非
線形解析の概要と注意点を、増分解析する理由と絡めて簡単にご紹介します。
まず、荷重増分解析の常套手段として、反復計算を行うことが特徴に挙げら
れます。RESPシリーズでは、荷重増分解析(RESP-F・F3・T)において、
ニュートン(・ラフソン)法による反復収束計算を採用しています。
ご存知のとおり、これは非線形関数の数値解を求めるために、反復中の接線
勾配を用いて解に漸近していく方法で、効率的に解を求めることができます。
教科書で紹介されるニュートン法は、一般的に一元方程式(例えば平方根を
解くための二乗の関数など)を解く様子を平面グラフ上で示されます。反復
計算を通して完全な解に収束していく様子は大変印象的なため、ニュートン
法を用いて十分な反復を行えば、完全な解が得られるものと理解されます。
反復さえ重ねれば完全な解に収束するはず、という期待から、保有水平耐力
を荷重増分せずに反復計算のみ(1ステップのみの増分)で求めようとされ
る例を度々見かけます。しかし、実際には荷重増分した結果と大きく異なる
結果しか得られません。なぜ、1ステップの増分解析では保有水平耐力が求
められないのでしょうか。
教科書で説明される方法と根本的に異なるのは、構造解析で用いている方法
は、1変数の関数を多元方程式に拡張した方法であって、教科書のような単
純な連続関数ではないという点です。
構造解析の反復中に得られた解は、一つ前の時点の接線勾配に基づいて求め
られた予想解となります。言い換えれば、損傷前の剛性を用いて、損傷後の
変位を予測することになりますので、当然ながら完全な予測は無理です。
この予測誤差をゼロにするには、剛性が変化する直前の状態に戻って解き直
す方法が考えられます。しかしこの方法では、剛性変更の回数だけ戻りが発
生してしまいます。ラーメン構造物であれば、梁と柱の数の両端分の箇所に、
ひび割れと降伏の発生分だけ戻りが発生することになってしまいます。RC
建築物の立体解析では、何千ステップといった大変な量の計算量になります
ので、実現可能な計算ステップ数に抑えるために、少々の誤差の発生は許容
する方針を採っています。
現在採用する方法では、必ず予測誤差を含みますので、誤差をできるだけ小
さくするために、細かく刻んで増分解析する必要があります。理想的には、
何千ステップも必要なところを、百ステップ前後にまで減らす訳ですから、
慎重な増分計画が必要となります。
経験的には、百ステップ以上の増分を行えば、設計に必要な精度は確保でき
ることが分かっていますが、剛性変更が頻繁に発生する局面や、分担力が大
きな部材が剛性低下する局面では、より細かく刻むように設定する必要があ
ります。精度が気になるようでしたら、全体を倍のステップで増分した結果
と比較し、有意な差が無いことを確認すれば、非線形解析の誤差について、
概ねクリアできていると考えることができます。
[ 4 ]???????????????????????????????
あとがき(RESP&Bird-21担当者近況)
◆先の連休では、帰省や旅行で外出された方も多いことと思います。東京は
どこへ行っても人混みでしたが、比較的空いていたのは横浜の三溪園です。
日本三大庭園のような規模はありませんが、隠れた名所だと思います。横浜
へお越しの際は足を延ばしてみてはいかがでしょうか。ところで、インター
ネットで三大庭園を調べていたら「日本三大?」や「三大?」というキー
ワードの多さに気付かされました。場所に由来するものが多いので、旅行を
計画するときのヒントになりそうですが、きっと人混みもすごいのでしょう
ね。「日本の三大人混みはどこかな?」などと考えてしまいました。(O)
◆建築基準法改正案に目を通す機会がありました。全体的に性悪説的な改正
内容ですが、特に、地盤増幅率GSの改正が凄いです。限界耐力計算法の悪
用の温床といわれたGSですが、絶対に危険な設計法とは言わせないぞ、と
の気迫が伝わる改正内容です。とくとご覧あれ。(Y)
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RESP&Bird-21 ニュース
発信:株式会社 構造計画研究所 耐震技術部
〒164-0011 東京都中野区中央4-5-3
mail: TEL:03-5342-1138 FAX:03-5342-1238
http://www.kke.co.jp/resp/
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