RESP-M/II 上級者用のヒント
FAQ一覧
- RESP-M/IIで上下動解析を行ったという話を聞いたのですが、可能なのですか?
- フロアレスポンスを取り出して、応答スペクトルを計算したいのですが、簡単に出来るのですか?
- 梁の歩行障害を解析したいのですが、可能ですか?
- 風洞実験で得られた加振力波形で強制加振解析を行っているのですが、第1ステップで大きな応答が発生してしまいます。どうすればよいですか?
- 等価せん断型の建物の上部に鉄塔が載っており、この鉄塔の剛性がフルマトリクスで与えられていますが解析可能ですか?
- 地下を共有するツインタワー状の建物があるのですが、RESP-M/IIで解けるのですか?
- ツインタワーの建物をRESP-M/IIで解いているのですが、このモデルで位相差入力によるねじれ応答解析を行うことは出来るのですか?
- 建物を等価1質点に置換して弾性振動解析を行ったのですが、他質点の応答と比較すると、頂部の変位が一致しないのはなぜですか?
- 特殊形状構造物をSTAN/3Dで解析しているのですが、この構造物の剛性マトリクスを取り出して、RESP-M/IIで応答解析できると聞いたのですが、可能なのですか?
- RESP-M/IIで上下動解析を行ったという話を聞いたのですが、可能なのですか?
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詳細な解析は無理ですが、鉛直部材の剛性を考慮するだけの上下動解析ならば可能です。この場合には、柱・壁といった鉛直部材の剛性をせん断バネに見立てて解析を行うことになります。
ロングスパン梁での共振・増幅などは検討できませんが、免震構造のアイソレータの引き抜き力に着目した解析などであれば、おおよその目安をつかむための検討が可能です。
- フロアレスポンスを取り出して、応答スペクトルを計算したいのですが、簡単に出来るのですか?
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応答加速度の時刻歴の出力指定(OUTRコマンド)をしていただければ、結果ファイルに出力されます。
RESP-M/IIの結果ファイル(****.rlt)はテキスト(ASCII)ファイルになっていますので、比較的簡単に読むことが出来ます。結果ファイル中の時刻歴部分を波形処理ソフト(当社開発k-WAVEなど)で簡単に処理することが出来ます。
RESP-M/IIの保守契約ユーザ様であれば、結果ファイルの仕様書を提供できますので、書式の正確な意味を知ることも可能です。
- 梁の歩行障害を解析したいのですが、可能ですか?
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連続梁をRESP-M/IIの壁(曲げせん断モデル、上下端を半低固定)でモデル化し、パルス状の歩行衝撃力を加えることで、連続梁の上下振動の解析をすることが出来ます。
歩行による衝撃力の設定に関しては、「建築物の振動に関する居住性能評価指針・同解説(日本建築学会)」が参考になります。
- 風洞実験で得られた加振力波形で強制加振解析を行っているのですが、第1ステップで大きな応答が発生してしまいます。どうすればよいのですか?
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静止している建物振動モデルに、定常振動状態の加振力をいきなり与えれば、第1ステップの応答が過大になることは避けられません。
入力波形の振幅包絡形が徐々に大きくなるように、加振力波形を変形して入力するのが一般的です。
- 等価せん断型の建物の上部に鉄塔が載っており、この鉄塔の剛性がフルマトリクスで与えられていますが解析可能ですか?
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鉄塔の剛性マトリクスを拡張して、本体建物の階数分だけ自由度を増やせば解析可能です。
自由度を拡張したマトリクスの部分にはゼロを入れ、RESP-M/IIにはマトリクス入力の形式で入力し、本体建物の剛性はフレームまたは任意層間バネとして入力することになります。計算時には、全ての剛性が足し合わされて評価されます。
- 地下を共有するツインタワー状の建物があるのですが、RESP-M/IIで解けるのですか?
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節点の順番として、地下、A棟、B棟の順に上に積み上げ、1階とB棟の2階を任意層間バネで接続するような対処方法が考えられます。
ただし、このような方法で仮に計算が可能だとしても、図化など後処理時に問題が発生しますので、一般にはあまりお勧めできません。
- ツインタワーの建物をRESP-M/IIで解いているのですが、このモデルで位相差入力によるねじれ応答解析を行うことは出来るのですか?
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RESP-M/IIでは加振力解析ができますので、回転加速度を回転中心からの距離で除した並進加速度に質量を乗じて加振力波形にして解析することが考えられます。
しかし、手順が複雑すぎてRESP-M/IIを使用するメリットがありませんので、一般にはあまりお勧めできません。
- 建物を等価1質点に置換して弾性振動解析を行ったのですが、他質点の応答と比較すると、頂部の変位が一致しないのはなぜですか?
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1次モーダル重量・剛性は、下式のように求められます。
M1=((Σ(mi×ui))^2)/Σ(mi×(ui^2))
K1=4×(π^2)×M1/(g×(T1^2))上記1質点の解析モデルで求まった変位を、多質点の頂部変位と直接比較するためには、多質点の頂部の刺激関数を乗じる必要がありますので注意してください。