RESP-M/II 復元力特性関連
FAQ一覧
- 「標準型トリリニア」という復元力特性タイプが内蔵されていますが、この名称は一般名称なのですか?
- RESPでは、剛性逓減型の復元力特性モデルにABCのような記号が用いられていますが、一般名称はないのですか?
- RESP-M/IIの復元力特性タイプ9(剛性逓減型D)は、通称「修正武田型」と呼ばれていますが、どの点が武田型から「修正」されたのですか?
- 脆性破壊型の耐震壁を考慮したいのですが、どのようにすればよいですか?
- 「標準型トリリニア」という復元力特性タイプが内蔵されていますが、この名称は一般名称なのですか?
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一般名称と考えられます。「コンクリート充填鋼管構造 設計施工指針(日本建築学会)」には、「ノーマルトリリニア」という表現があります。
同書では、CFT柱の復元力特性として、ノーマルトリリニアの履歴特性の解説図が掲載されています。ただし、学術用語として厳密性を重んじる場合には、「Masing型Tri-Linearモデル」とするべきでしょう(「建築物の耐震設計資料(日本建築学会)」参照)。
- RESPでは、剛性逓減型の復元力特性モデルにABCのような記号が用いられていますが、一般名称はないのですか?
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以下のような対応になりますが、どの提案者による復元力特性であっても、論文中に厳密なアルゴリズムが示されているわけではありません。あくまでも、基本思想を引用しているとお考え下さい。
- 剛性逓減型A・・・深田モデル
- 剛性低減型B・・・武藤モデル
- 剛性低減型C・・・江戸モデル(修正武田モデル)
- 剛性低減型D・・・武田モデル
- 剛性低減型E・・・武田スリップモデル
- RESP-M/IIの復元力特性タイプ9(剛性逓減型D)は、通称「修正武田型」と呼ばれていますが、どの点が武田型から「修正」されたのですか?
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一般に、復元力特性(履歴規則)の研究開発においては、研究の過程でさまざまな派生タイプが生まれることが多く、武田型も例外ではありません。
また、発表論文中に厳密な履歴規則が示されることは稀で、詳細な規則の理解は解釈者側にゆだねられています。
「建築物の耐震設計資料(日本建築学会)」によれば、武田型は文献(T.Takeda, M.A.Sozen, N.N.Nielsen, "Reinforced Concrete Response to Simulated Earthquakes",第3回日本地震工学シンポジウム講演集、pp.357-364,1970年11月)を参照し、これはRESP-M/IIの復元力特性タイプ9番(剛性逓減型D)に相当します。
むしろ「修正武田型」と呼ぶべきモデルは、RESP-M/IIの復元力特性タイプ8番(剛性逓減型C)の方で、文献(武田寿一「鉄筋コンクリート建物の動的計算」、コンクリート・ジャーナル Vol.12,No.8,August 1974.)において、江戸宏彰らが開発したとして発表されたものです。
このモデル(タイプ8番:剛性逓減型C)は、武田モデルの規則に簡便性を取り入れた印象があり、現代の利用においてはメリットが無いと思われます。