RESP-M/II 免震関連
FAQ一覧
- 基礎免震の解析は、免震層として1層分取る方法、あるいは、スウェイでもどちらでも扱えるようですが、どちらの方法がよいのですか?
- 基礎免震を解くために、免震層として1層分設けていますが、粘性減衰はどのように設定するのがよいのですか?
- 鉛ダンパーや鋼製ダンパーの復元力特性はどのように考えればよいのですか?
- 免震アイソレータの初期剛性は何を入力すればよいのですか?
- 免震アイソレータの減衰定数は何を入力すればよいのですか?
- 免震アイソレータの初期剛性は固有値解析にしか反映されないということなのですが、初期剛性を変化させると、時刻歴解析の応答も変化するのはなぜですか?
- 通常の免震アイソレータは、せん断ひずみ250?300%までの領域の復元力特性しか定義されていないはずですが、RESPを実行すると、限界ひずみを超えても警告が出るだけで計算が進みます。どのような復元力特性になっているのですか?
- すべり支承を用いた解析を行っているのですが、すべり支承層のせん断力より、直上層の応答せん断力の方が大きくなってしまうのはなぜですか?
- 建物の剛性がフルマトリクスで得られているのですが、この状態で基礎免震の解析ができるのですか?
- 基礎免震の解析は、免震層として1層分取る方法、あるいは、スウェイでもどちらでも扱えるようですが、どちらの方法がよいのですか?
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RESP-M/IIのスウェイは、バネの非線形特性として1つしか入力できないため、免震装置を1種類しか用いない場合にのみ対応できます。これに対して1層分取る方法では、任意層間バネが複数入力できるため、複数の特性の装置を組み合わせて使う場合はこちらになります。
1層分取る方法では、粘性減衰の設定がやや複雑になりますので注意してください。
- 基礎免震を解くために、免震層として1層分設けていますが、粘性減衰はどのように設定するのがよいのですか?
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積層ゴムアイソレータの粘性減衰は一般にゼロと設定します。
免震層をスウェイで入力する場合には、「DMP1コマンド」の「減衰タイプ」を3番(剛性比例型)「基礎と上部構造の減衰評価方法」を1番にし、スウェイの減衰定数をゼロとします。
スウェイを使用せず、免震層として1層分取る場合には、「減衰タイプ」を11番(部別指定剛性比例型)、「基礎と上部構造の減衰評価方法」を0番にし、各部の減衰定数および周期を入力します。この時、免震層の減衰定数はゼロ、周期には免震層固定の場合(上部構造のみ)の1次周期を入力するのが一般的です。
- 鉛ダンパーや鋼製ダンパーの復元力特性はどのように考えればよいのですか?
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一般にはバイリニア標準型でモデル化されます。
しかし、特に鉛ダンパーのような純粋な金属材料には、明確な降伏点が見られないため、R-Oモデルのような復元力特性の方がより精度高くモデル化できると考えられます。
解析の目的に合わせて、復元力特性を設定してください。
- 免震アイソレータの初期剛性は何を入力すればよいのですか?
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鉛プラグ入り型や高減衰積層ゴム型などの装置を用いる場合には、一般的に各メーカの提案式を用いることになります。
これらの提案式では、ひずみレベルに応じた剛性が求まる仕組みになっているため、バネの初期剛性の入力の必要性はないはずですが、RESPシリーズでは何らかの初期剛性を入力する必要があります。
ここで入力された初期剛性は、固有値解析にのみ参照され、時刻歴解析ではメーカの提案式に従うことになります。
- 免震アイソレータの減衰定数は何を入力すればよいですか?
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積層ゴムアイソレータの内部粘性減衰は、ゼロとして解析することが一般です。
RESP-M/IIでは、部別指定型剛性比例型減衰(RESP-M/IIの11番)を用いるようにしてください。部別指定型剛性比例型減衰では、バネ毎に減衰定数を指定することが出来ますが、同時に減衰係数算定用の1次固有周期を指定する必要があります。このときの周期には、免震固定時の1次周期を与えるのが一般的です。
- 免震アイソレータの初期剛性は固有値解析にしか反映されないということなのですが、初期剛性を変化させると、時刻歴解析の応答も変化するのはなぜですか?
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解析時に減衰タイプとして、単純な剛性比例型減衰(RESP-M/IIの3番)を指定されてはいないでしょうか。単純な剛性比例型減衰では、免震層にも粘性減衰が与えられてしまうという問題があります。
対策としては、免震アイソレータの減衰定数の設定のQ&Aを参照してください。
- 通常の免震アイソレータは、せん断ひずみ250?300%までの領域の復元力特性しか定義されていないはずですが、RESPを実行すると、限界ひずみを超えても警告が出るだけで計算が進みます。どのような復元力特性になっているのですか?
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一般に免震アイソレータは、性能保証限界ひずみ以下の範囲で復元力特性が定式化されていますが、限界ひずみを超える領域では、剛性を求めることができないため計算不能となります。
しかし、RESPでは限界ひずみ時の剛性がその後も続くものと仮定して、計算を進めるようにしています。これは、設計検討の作業性を向上させるための措置ですので、計算結果は参考値として扱うようにしてください。
- すべり支承を用いた解析を行っているのですが、すべり支承層のせん断力より、直上層の応答せん断力の方が大きくなってしまうのはなぜですか?
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すべり支承は、極めて大きな剛性を持ち、小さなせん断力で滑り始めるため、比較的大きな不平衡力が発生します。このため、通常の建物解析に用いる積分時間間隔よりも十分に小さな間隔で解析する必要があります。一般的には 1/1000秒以下にする必要があります。
また、すべり支承を含む振動モデルに対して、単純な剛性比例型減衰を適用すると、すべり支承の大きな初期剛性に比例した過大な減衰係数を設定することになります。この場合には、部別指定型剛性比例減衰(減衰タイプ11番)を用いて、適当な減衰係数になるように調節する必要があります。