RESP-F3 上級者へのヒント
FAQ一覧
- 高層であるにもかかわらず、梁間方向が1スパンで連層耐震壁なのですが、壁エレメントによる解析に妥当性はあるのですか?
- 塔状比がかなり大きい建物を解析するのにP?δ効果は考慮できますか?
- Unix版を使用しているのですが、コンパイル時に最適化は指定した方がよいのですか?
- 高層であるにもかかわらず、梁間方向が1スパンで連層耐震壁なのですが、壁エレメントによる解析に妥当性はあるのですか?
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極めて難しい問題ですが、そもそも壁エレメントを採用したのは次のような理由からです。
- ラーメン構造に組み込み易く、単純な線材で分かりやすい。
- 柱の軸力・軸剛性を評価し易い。
- 曲げとせん断が明確に分離でき非線形解析に適用し易い。
このように、程よい単純さで実験結果に合わせられるように各成分を分離したのが壁エレメントであるといえます。
壁エレメントの研究が最も活発に行われた1980年頃の実験では、ほとんどがせん断破壊の実験で曲げの実験はわずかしかありません。近年では超高層にまで連層壁が用いられることになり、実験との乖離が問題となっています。このため、RESPではファイバモデルによる耐震壁の研究を行っております。
- 塔状比がかなり大きい建物を解析するのにP?δ効果は考慮できますか?
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直接的にP?δ効果を考慮することはできません。
「高層建築物の構造設計実務(日本建築センター)」によれば、負のバネ(⊿K=(1+α)Σ(W/h))を考慮する簡易な方法が紹介されています。崩壊形への影響を調べる方法としては、保有水平耐力時の各節点における付加モーメントを求めて、節点外力として足しこむ方法も採用されることがあります。より厳密に考慮するには、RESP-Tの利用が考えられます。