■計算結果
FAQ一覧
- 平面応力要素の板厚を変えても要素に生じる応力が変化しません。
- 終局時の変形図と支点反力図を見ると、変形は上向きに出ているにもかかわらず、支点反力が圧縮となっています。バネが伸びるため、引張になると思いますが何故ですか?
- 大梁端部をピン接合としているにもかかわらず、端部に曲げモーメントが発生してしまいます。
- 剛心位置が平面外に出てしまっています。何故でしょうか?
- 荷重増分解析結果や振動解析結果は長期応力が含まれた値でしょうか?
- 固有値解析を行った時に解析結果フォルダに出てくるeigen.csvの固有ベクトルはどこかで規準化されているのでしょうか?
- 増分解析結果の転倒モーメントを確認することはできますか?
- 柱の履歴を見ると明らかに剛性低下しているのに、ヒンジマークがつきません。なぜでしょうか。
- 材端ピンにしていますが、端部モーメントが出ています。なぜでしょうか。
- 剛床IDが異なる節点間をつなぐ部材のせん断力はどこに集計されますか?
- 位相差入力は行えますか?
- CSV出力で「荷重増分解析結果」と「終局検定応力」の二つを比較するとモーメントが異なるのですが何故でしょうか?
- 「大梁の材長とせいの関係が長期荷重時のコンクリートひび割れ防止等のために望ましい数値を満たしていません」というワーニングが出るのですが、どのような検討によるものでしょうか?
- 部材履歴出力で出力されるcsvファイルの「ひずみ」とは何ですか?
- 部材の塑性率はどのように確認すればよいですか?
- 免震部材の剛性倍率を大きくすると、免震層の変形は手計算結果と一致しない理由を教えてください。
- RESP-Dで質点系振動解析を行う際に、層の骨格曲線を荷重増分解析の結果からモデル化していますが、特定の層で曲げ変形による剛性(緑線)が負になっています。
- 各層のねじり剛性の確認方法を教えてください。
- 軸を跨いでいる関係などでフレームが定義できない大梁の応力はどのように確認できますか?
- 層跨ぎの間柱ダンパーにおいて初期応力を負担させないとエラーとなるのは何故ですか?
- 荷重増分刻みを変えると荷重増分解析結果が変わるのは何故ですか?
- 偏心率が出力されない階があるのですがなぜでしょうか?
- 振動解析で節点周りの曲げモーメントが釣り合いません。
- 免震層固定時の固有周期はどこで確認できますか?
- 立体振動解析で特定の層のみ層塑性率が異常に大きい値となります。
- 平面応力要素の板厚を変えても要素に生じる応力が変化しません。
-
平面応力要素は応力を断面積で除した「応力度」を出力しています。板厚を大きくするなどして、床の剛性を増加させた場合、比例的に応力が大きくなるものの断面積も同じく比例して大きくなるため、要素回りの変形量が変化しない限り出力される応力度に変化は生じません。
- 終局時の変形図と支点反力図を見ると、変形は上向きに出ているにもかかわらず、支点反力が圧縮となっています。 バネが伸びるため、引張になると思いますが何故ですか?
-
RESP-Dでは増分解析や振動解析において 初期応力(長期)を内力として与えて解析を行う仕様となっております。 支点反力に着目すると、長期は支点ばねに内力として力は生じるものの、変形は生じないため変形図としては水平力による変形のみが表示され、応答値は長期+水平力の合算値になります。 このため、今回のような一見引張側の変形が生じているにもかかわらず、応答値としては圧縮となる という状況が発生することがございます。
- 大梁端部をピン接合としているにもかかわらず、端部に曲げモーメントが発生してしまいます。
-
剛域長さが考慮され、実際には材端(=節点位置)ピンではなく剛域端ピンとしてモデル化されるためです。 仕口パネルをモデル化している場合はパネル端ピンとなります。
関連するRESPブログ記事に移動
- 剛心位置が平面外に出てしまっています。何故でしょうか?
-
各柱ごとに「負担せん断力/変形」から剛性を求めて、階ごとに累計することで層の剛性を求める計算を行っているため、大きくねじれる場合などに一部のフレームで逆せん断が生じた場合「負の負担せん断力/正の(極めて小さい)変形」となると非常に大きい負の剛性が計算されてしまい、その剛性に引きずられて階の剛性や剛心が負の値になってしまうことがございます。
- 固有値解析を行った時に解析結果フォルダに出てくるeigen.csvの固有ベクトルはどこかで規準化されているのでしょうか?
-
固有ベクトルは並進自由度(剛床従属自由度を除く)で、 かつ質量を持つ自由度の内最大となる値を1として基準化を行っております。 一般的な建物の場合、剛床代表節点の最大値で基準化されことになりますので、ねじれが発生する場合1.0を超える固有ベクトルが存在することがございます。
- 増分解析結果の転倒モーメントを確認することはできますか?
-
解析の最終ステップの結果については、解析結果フォルダの「増分解析結果」にある解析結果ファイルの○○.story.csvを確認して頂く必要があります。 storyファイルから転倒モーメントを確認する方法としましては「OtmU」で検索頂くと各層とその層におけるX方向転倒モーメント(OtmU)と Y方向転倒モーメント(OtmV)が記載されている項目を確認することが出来ます。 ( 層名称として「ZS01」といった名前がでてきますが、こちらは「下から1層目の層」を示しています。) 各ケース毎にブロック単位で結果が出力されており、上から順にX+,X-,Y+,Y-の加力ケースの結果が出力されます。
- 柱の履歴を見ると明らかに剛性低下しているのに、ヒンジマークがつきません。なぜでしょうか。
-
柱はファイバーモデルとしてモデル化しており、ファイバーモデルの場合の塑性率の計算方法の考え方は様々です。そのため、計算方法によっては、十分に剛性低下したとしても塑性率が1を超えず、ヒンジマークがつかないことがあります。各計算方法の特徴を以下にまとめています。
関連するRESPブログ記事に移動
- 材端ピンにしていますが、端部モーメントが出ています。なぜでしょうか。
-
端部ピンは厳密には剛域端ピンとなりますので、フェイス位置せん断力×剛域分のモーメントが節点位置に生じます。仕口パネルを設定している場合も同様に、パネル端にピンが作られますので、節点モーメントは0になりません。
- 剛床IDが異なる節点間をつなぐ部材のせん断力はどこに集計されますか?
-
剛床IDが大きい方のグループに集計するようなルールとなっています。複雑な多剛床を組む場合、ルールを認識したうえでIDを振っていただく必要があります。部材ごとのプロパティで「層せん断力集計床グループ」を指定した場合、その床グループに集計されます。
- 位相差入力は行えますか?
-
「振動解析条件」の上部メニュー「位相差入力条件」から設定、解析できます。「位相遅れ波形」を「X方向波形」とした場合、X方向加振の波形がY方向に対して位相差を生じて入力されるような状態を計算します。
- 「大梁の材長とせいの関係が長期荷重時のコンクリートひび割れ防止等のために望ましい数値を満たしていません」というワーニングが出るのですが、どのような検討によるものでしょうか?
-
RC規準13条 梁の曲げに対する断面算定(2018年版はp134-135, 2010年版はp130-131) に記載の(解13.19)式による検討です。 (長期の過大なひび割れ防止のための、梁支点間距離と梁せいの比による検討)
- 部材履歴出力で出力されるcsvファイルの「ひずみ」とは何ですか?
-
出力する応力の種類により、「ひずみ」の意味が異なります。以下、それぞれご説明いたします。 軸力を出力した場合「ひずみ」は軸ひずみとなります。 せん断力を出力した場合「ひずみ」はせん断ひずみとなります。 曲げモーメントを出力した場合「ひずみ」は曲率×材長となります。
- 部材の塑性率はどのように確認すればよいですか?
-
以下の3つ方法があります。 1.計算書で確認:静的の場合は静的解析構造計算書>荷重増分解析>終局ヒンジ発生図>塑性率図で確認する。振動解析の場合は、振動解析計算書>ヒンジ図で確認する。 2.CSVファイルで確認:「ファイル」>「データ変換出力」>「CSV出力」にて、「荷重増分解析結果」または「振動解析結果」の中の当該項目(柱や梁など)を出力する。 3.画面上で表形式で確認(テーブル表示):塑性率を確認したい部材種類(柱、梁など)を操作対象として選択し、ツールバーの「テーブル表示」アイコンをクリックする。
- 免震部材の剛性倍率を大きくすると、免震層の変形は手計算結果と一致しない理由を教えてください。
-
「計算条件」→「応力計算条件」→「応力条件2」にある免震部材のモデル化で「せん断力によって発生するモーメントを考慮する」にしている場合、免震部材が剛域付きせん断ばねとしてモデル化されています。 その際に、「計算条件」→「剛性計算条件」→「剛性計算条件5」にて、免震部材の水平剛性を大きく設定すると、基礎梁の剛性が十分でないと基礎梁の回転変形が大きく発生するため、手計算の免震層の単純なせん断変形より水平変形が大きくなっていると考えられます。
- RESP-Dで質点系振動解析を行う際に、層の骨格曲線を荷重増分解析の結果からモデル化していますが、特定の層で曲げ変形による剛性(緑線)が負になっています。
-
曲げ変形による剛性(緑線)は、(初期ステップの層せん断力)/(初期ステップの曲げ変形)として求めておりますが、曲げ変形は、建物全体が平面保持のもと、一本棒のように曲げ変形するものと仮定した傾き(RESP-D計算編マニュアルのeθi)を用いて算出しております。 この傾きeθiは、デフォルトの設定ではブレースも含めて各部材の軸力および鉛直方向の変形を用いて算出されます。 ブレースのある構面は水平力負担によっても大きな軸力を生じることに加え、鉛直方向の変形に関しても平面保持が成り立たないことが多く、傾きeθiが負となり曲げ剛性(緑線)が負の傾きとして算出されることがあります。 回避策としては以下の2つの方法が考えられます。 ・質点系解析条件条件 > 共通条件1にて「ブレースを曲げ剛性から除外する」にチェックを入れ、再度モデル化された層の骨格曲線を確認する。 ・層の骨格曲線のモデル化において、荷重増分解析の結果を用いずに値の直接入力を行う。
- 各層のねじり剛性の確認方法を教えてください。
-
1.応力解析まで実行し、弾性解析フォルダ内の「○○_linearH.story.csv」を開く。(○○はモデル名称です。) 2.csvファイルを開いた状態で「偏心率」と検索すると、同じ行にある「剛性T」というヘッダーが各層のねじり剛性KRとなります。単位はNm/radです。
- 軸を跨いでいる関係などでフレームが定義できない大梁の応力はどのように確認できますか?
-
以下の4つの確認方法があります。 ①csv出力による確認方法(ファイル→データ変換出力→csv出力→解析結果から選択して出力) ②テーブル表示による確認方法(操作対象を大梁にする→ツールバーの表アイコンをクリック→左上の解析ケースを選択して表示) ③計算書出力による確認方法(計算条件→計算結果出力条件→架構定義で構面を定義し計算実行→計算書出力に構面の応力が追加される) ④3D結果表示による確認方法 確認方法はブログ記事をご覧ください。
- 層跨ぎの間柱ダンパーにおいて初期応力を負担させないとエラーとなるのは何故ですか?
-
長期応力を負担させない場合、長期において鉛直剛性を0として扱うのに対して、ダンパー接続節点に重量が存在することで不安定となるためです。
- 荷重増分刻みを変えると荷重増分解析結果が変わるのは何故ですか?
-
荷重増分刻みは非線形挙動の追跡に影響するためです。図の例のように実際の骨格曲線(黒線)に対して、増分刻みが大きい場合、収束計算を経て求まる骨格曲線は赤線のようになります。
- 偏心率が出力されない階があるのですがなぜでしょうか?
-
剛性が負となった耐震要素の影響により剛心まわりのねじり剛性が負となり、弾力半径と偏心率が計算不能となる場合があるためです。 耐震要素の剛性が負になるケースとしては、以下の2ケースが考えられます。 1.逆せん断により、耐震要素に負のせん断力(加力方向と同じ向き)が生じつつ、層間変位が正となる場合。 2.図のように周辺架構の影響により、斜め柱または鉛直ブレースに正のせん断力(加力方向と逆向き)が生じつつ、層間変位が負となる場合。
- 振動解析で節点周りの曲げモーメントが釣り合いません。
-
振動解析の場合、減衰力も含めて釣り合いをとるため、要素応力のみを描く応力図においては節点周りの応力が釣り合わない場合があります。 通常の初期剛性比例型減衰であれば、概ね減衰は減衰同士釣り合うため、節点周りの剛性部材の応力も釣り合いますが、例えば、瞬間剛性比例型減衰を採用した場合、部材の剛性変更が起きると、減衰項が変化するため、減衰同士だけで釣り合うのではなく、要素応力と合わせて釣り合うことになります。 そのため、節点周りの応力図を描くと、釣り合わない状態の曲げモーメント図が描かれることがあります。
- 免震層固定時の固有周期はどこで確認できますか?
-
1.立体モデルの場合 「計算・出力」->「立体振動解析結果」->「免震構造の固有モード図」->「免震層固定時」にて確認できます。 2.質点系モデルの場合 「計算・出力」->「質点系振動解析結果」->「免震構造の刺激関数図」->「免震層固定時」にて確認できます。
- 立体振動解析で特定の層のみ層塑性率が異常に大きい値となります。
-
立体振動解析では層塑性率よりも部材の塑性率を見ることが一般的であり、層塑性率はあくまで参考値という位置づけになります。 これは「立体振動解析の層塑性率」という概念に対して明確な計算方法が確立されていないためです。 そのため、RESP-Dでは独自の考え方に基づき「立体振動解析の層塑性率」を出力しております。したがって、「質点系振動解析で求められる層塑性率」と「RESP-Dで立体振動解析時に出力される層塑性率」とは違う意味を表すことになり、「質点系振動解析で求められる層塑性率」の結果と比較して「RESP-Dで立体振動解析時に出力される層塑性率」の結果が感覚的に合わない大きな値を示す場合があります。 また、RESP-Dの立体振動解析では、層内のいずれかの部材の塑性率が1を超えた時点での層間変位を塑性率基点層間変位とし、「最大層間変位/基点層間変位」として層塑性率を求めています。(ただし層塑性率が1以上の場合。)そのため、層内に早期に降伏判定される部材が存在すると小さな層間変位が層塑性率基点層間変位として認識されてしまい、層塑性率が異常に大きくなる場合があります。 立体振動解析では「層の骨格曲線」が存在しないため、層塑性率を上記のような方法で求めています。一方で、上記方法による塑性率基点の設定方法による層塑性率基点は、質点系モデルの骨格曲線から定められる層塑性率基点と比較してしばしば過剰に小さくなります。そのため、たとえ上記のように異常に大きな値となっていても、それがモデルや計算の不備・不具合を意味したものであるとは限りません。 どうしても立体振動解析による層塑性率の数値を用いて検討を行う必要がある場合には、設計者判断で塑性率基点となる層間変位を定め、最大層間変位で除して算出するなどの工夫が必要です。