企業事例
Aeroports de Paris社

フランス - ド・ゴール空港の積荷を支えたCrystal Ball

お読みいただく前に

いずれも少し古い事例となり、現在も使われているかの保証はありません。しかしながら、Crystal Ballは現在も国内外において、以下と類似する目的でご活用いただいております。広くはリスク分析の企業への適用事例としてご参考になるかと思い、掲載をしております。

空港の手荷物管理システムに課題

ロワシー・シャルル・ド・ゴール空港を管理するAeroports de Paris社は、自動手荷物管理システムに関する重大な問題に直面していました。

荷物の多くが乗り継ぎの飛行機の離陸時刻に間に合わなくなってしまうというトラブルに何度も見舞われていたのです。この問題を解決しようと、Aeroports de Paris 社は、仏HEC経営大学院(Groupe HEC)の情報システム・決定分析学部の教授であり、オペレーションリサーチ専門のコンサルティング会社Logma SAのCEOであるHerve Thiriez博士に連絡を取りました。

荷物管理システムの分析と問題の主要原因の特定、そして荷物管理システムの問題を最小限にするためのシステム改良の可能性を見極めるために、博士に調査を依頼することになりました。

飛行機と空港の荷物量をExcelに

長距離飛行機が時間どおりにはめったに到着しないということと、荷物管理システムの問題は強く関連しています。予定以上の長距離飛行機が同時刻に到着すると、システムは計画を上回る量の荷物を処理することになるため飽和状態になります。博士はCrystal Ballを使い、実際の到着時刻と飛行機ごとの荷物量をシミュレーションしました。

その際、「5分ごとに何個の荷物が届くか、幾つの荷物を早急に移動させなくてはならないか、幾つの荷物を余裕をもって移動させることができるか、そして最終目的地がド・ゴール空港である荷物はどれほどなのか」といった点を把握するために、Excelモデルが利用されました。

博士はこれに関連して、物流の特定の局面を分析できるモデルも発展させました。こうしたモデルの中には、1マイルにも及ぶ荷物運搬施設の全主要部分のシミュレーションをして、システム上の荷物の流れを分刻みに分析してくれるものもあります。また、重要地点に置かれたカウンターを使い、ある日の荷物の流れを分ごとに計算できるようなモデルもあります。後者のモデルは最初のモデルの予想の妥当性を検討するために利用されました。

出費削減にも効果

こうしたシミュレーションモデルを使うことで、Aeroports de Paris社は1200万ドルもの出費削減を達成することができました。博士はモデルに更なる改良を加えてシミュレーションを行い、それらの改良に伴う出費削減の予測を提供することにも成功しました。この結果は大変説得力のあるものであったので、翌年の1999年にはAeroports de Paris社は博士にド・ゴール空港の新ターミナルE、Fの荷物運搬施設に関する新たなモデルの開発を依頼することにもなりました。

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