QualNetの最大の特徴は高速性とスケーラビリティです。 基本パッケージでは2コアまでの利用が可能です。マルチコアライセンスの追加により、さらに大規模なシミュレーション検証を行うことができます。
QualNetは、開発当初から並列シミュレーションを実現するために設計されています。 従来のシーケンシャルなシミュレータを並列に実行して結果を合わせることは並列処理とは言えません。 このような並列化は、様々な問題を抱え、性能的にも劣ると思われます。
QualNetのカーネルとAPI構造は、並列処理モデルのカスタマイズを容易に開発できるように入念に設計されています。
開発に際し、並列シミュレーションアルゴリズムに関する大規模な研究を行いました。 その結果として、(革新的でない)従来のアルゴリズムがネットワークシミュレーションに最も適していると判断し、これを採用しています。
並列処理アーキテクチャに関して、ワークステーションクラスタ、分散メモリアーキテクチャ、共有メモリアーキテクチャ、スーパーコンピュータなど更なる研究を重ねました。 QualNetは高速処理を実現するために共有メモリ上で実装されています。
グラフは、QualNetによる1万ノードのシミュレーション結果です。グラフが示すように、ノード数に対するシミュレーション時間の線形は、滑らかでほとんどリニアです。つまり、スケーラブルと言えます。
QualNetのGUIツールにより、プログラミング不要でシミュレーション評価を行う事ができます。使い慣れたユーザや大量のパターンを検証するためには、CUI(Command Line UI)により効率的な作業が行えるでしょう。
~直感的なGUIによるシミュレーションシナリオ作成~
アーキテクト‐デザインモードは、マウス操作によりビジュアルにシミュレーションシナリオを作成するツールです。
ネットワークノードの地理的な距離関係や物理的な接続など、さまざまなパラメータを設定します。 それぞれのノードについて、ネットワーク層のプロトコルとトラフィックの特性を定義します。
アーキテクト‐デザインモードで設定したシナリオは、コンフィグレーションファイルに保存されます。 コンフィグレーションファイルを編集することで、大量のノードやトラフィックなどの作成・編集が容易になります。
~シミュレーションの実行過程をグラフィカルに表示~
アーキテクト‐ビジュアライズモードはシミュレーションをしながら、その実行経過をグラフィカルに表示するツールです。
シミュレーション中のネットワークに流れるトラフィックをダイナミックに観察します。 高性能なサーバ上でシミュレーションをバッチモードで実行し、後で保存した結果をアニメーション表示することができます。
また、アーキテクトはデザインモード、ビジュアライズモードともに、従来の2次元表示に加えて3次元表示も可能となりました。 飛行機や衛星を含む立体的なネットワークモデルを効果的にアニメーションで表示します。
~シミュレーション結果を様々なメトリクスで評価~
アナライザは様々な統計情報をグラフ表示するツールです。
予め用意された数百種類にも上るメトリクスの中から必要なものを選択して表示します。また、プロトコルデザイナで作成したオリジナルの統計情報を表示できます。 全ての統計情報がファイルにエクスポートできるので、オリジナルなレポートを作成できます。
~シミュレーション中の送受信パケットをビジュアルに追跡~
パケットトレーサは、QualNetシミュレータが収集したパケットデータをビジュアルに表示するツールです。
プロトコルスタックの各レイヤを行き来して、ネットワークに流れるパケットの一つ一つの生成から消滅までを追跡し、その内容を表示します。
米国CA州 Scalable Network Technologies, Inc. - SNT社は、カリフォルニア大学ロスアンゼルス校(UCLA)の並列計算研究所が米国国防総省高等研究計画局(DARPA)から資金提供を受けたプロジェクトとして、 移動通信用シミュレーションライブラリ「GloMoSim」(Global Mobile Information Systems Simulation Library)ならびに 並列シミュレーション環境「PARSEC」 (Parallel Simulation Environment for Complex Systems)を1997 年から2000 年にかけて開発しました。 SNT社は、この開発を指揮していたDr.Rajib Bagrodiaにより設立され、「QualNet」をはじめ、ネットワークエミュレータ「EXata」などの商用開発および販売を行っています。
QualNetは、米国国防総省やNASA、Boeingなどの航空宇宙や防衛産業をはじめ、世界30カ国以上、1000校以上の大学(※)で既に採用されており、研究者の間では今や最もスタンダードなネットワークシミュレータとなっています。
※日本でも100を超える大学・研究室でお使いいただいています。
構造計画研究所では、日本国内でのSNT社製品の販売ならびにサポート、コンサルティングや各種サービスを提供しています。
開発元サイト: SNT社 http://www.scalable-networks.com/