企業事例
Signalhealth社

助成金の交渉を容易にするCrystal Ball

お読みいただく前に

いずれも少し古い事例となり、現在も使われているかの保証はありません。しかしながら、Crystal Ballは現在も国内外において、以下と類似する目的でご活用いただいております。広くはリスク分析の企業への適用事例としてご参考になるかと思い、掲載をしております。

助成金の交渉を容易にするCrystal Ball

Signalhealth社は1984年から、情報ベースの健康管理プランの供給を行っています。同社は、医療施設、診療所、同業者団体、健康保険会社、そして健康管理機関まで、保健管理産業のほぼ全部門にプランを提供しています。

1996年、Signalhealth社は、低所得者の子供の多くが健康保険に十分に加入できていないことを憂慮したコミュニティと医療組織から成る連合から、仕事の依頼を受けました。そしてSignalhealth社は、この連合のロビー活動に不可欠なものとして、Crystal Ball を用いたのです。

その結果、連合は、30万人以上の児童をカバーするものへとプログラムを拡大することに成功しました。

Signalhealth社の社長ジョン・W・ロダット氏は、健康管理データ分析の専門家です。彼は自分の分析を用いて顧客に情報提供をし、顧客の意思決定プロセスを改善しています。

大抵の公共健康管理イッシューは財政的にも政治的にも影響を受けやすいため、ロダット氏はCrystal Ball を用いながら政策に内在するリスクを顧客に伝えて話し合いをします。

先の例では連合は、児童健康保険助成金プログラムを拡大するようにとニューヨーク州議会を説得しました。どのサービスに保険が適用されるか、サービスへの共同支払い金額はいくらか、そして各家庭への保険料助成金額はいくらか、こういったことについては議会で決定されるのですが、金額に関する様々な利害とそれに関連する不確実性は、決定を政治的にも技術的にも難しいものにしていました。

Crystal Ball を用いながら、ロダット氏はプログラム拡大の可能性を細かく説明するスプレッドシート・モデルを作成しました。保険に加入していないが新助成プログラムには参加するであろう児童の割合、現在保険に入っているがゆくゆくは公共の新助成プログラムに参加するであろう児童の割合、医療サービスの利用割合、そして各サービスタイプの価格といったものが、モデル内の不確実な変数です。ロダット氏はこのモデルを連合に持参し、最善のものを勧めました。プランは見積もりから発展して、プログラム拡大に向けてのロビー活動に実際にモデルが使わるようになりました。

ロダット氏は議会スタッフとの会合にノート型パソコンを持参し、議会スタッフにモデルを実際に使用してもらいました。「我々は午後の間、議会の財政スタッフとすごしてモデルを体験してもらい、モデルの論理を紹介し、スタッフら自身の代替推定値や代案を試してもらいました」とロバット氏は話します。

「プロジェクトを成功に導いた要因の一つには、我々がどのように見積もりを出したのか、またこれらの決定に伴う不確実性をどのように処理したのかを、モデルを使用することで我々が議会スタッフに見せることができたことがあります。」

潜在的に参加児童数が多いこと、医療サービス利用パターンに内在する変化域、そしてこれらのサービスにかかるコストが、プログラム拡大の費用見積もりを難しくしていました。しかしロダット氏のモデルを使用することで、例え参加者数、サービス利用、そして価格が少々異なるだけでも、プログラム費用のポイントエスティメイトが数百万ドル変わってしまう可能性があることを明らかにすることができたのです。モデルには、保険料水準、全プログラム費用、そして各家族の費用が表示されました。

Crystal Ball の利用しやすいインターフェースやグラフを素早く作成する機能により、ロダット氏はモデルの基本的な論理をわかりやすく説明したりプログラム拡大を願う顧客をサポートしたりすることを容易に行うことができたのです。

このような非常に政治的な環境における財政見積もりのほとんどが、政治的な受益者団体による「ブラックボックス内の見積もり」です。そのようなことから、見積もりは大抵懐疑的にとらえられます。ロダット氏が見積もりをわかりやすくしたために、また彼が不確実性を彼の見積もりに組み入れたために、主要な議会スタッフメンバーが彼の見積もりを信じ始めたばかりでなく、信頼するようになったのです。

議会スタッフとデータを共有し合うようにしたことで、ロダット氏は、最悪のケースシナリオなどに関する説明を含め、プログラム拡大に関連するリスクを議会により確実に理解してもらうことができました。

「これはまた、立法に関わる討議に我々の顧客がより親密に関与することができたということでもあります」と、ロダット氏は付け加えました。

ロビー活動の成功はプログラムの拡大につながり、現在ニューヨーク州の30万人を超える児童をカバーするようになりました。

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